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東北大学 2009年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第1問

一直線上にない3点A,B,Cの位置ベクトルをそれぞれ
a→,b→,c→とする.
0<t<1を満たす実数tに対して,△ABCの辺BC,CA,ABを
t:(1−t)に内分する点をそれぞれD,E,Fとする.
また,線分BEとCFの交点をG,線分CFとADの交点をH,
線分ADとBEの交点をIとする.以下の問いに答えよ.

(1)
実数x,y,zがx+y+z=0,
xa→+yb→+zc→=0→を満たすとき,
x=y=z=0となることを示せ.

(2)
点Gの位置ベクトルg→を
a→,b→,c→,tで表せ.

(3)
3点G,H,Iが一致するようなtを求めよ.

難易度6/ 10計算量6/ 10目安22分

ベクトル ベクトル成分計算、面積比、必要十分条件

方針

(1) は,一直線上にない3点から作る2つの差ベクトルが平行でないことを使って係数の一意性を示す。(2)はGを線分BE上とCF上の2通りに表し,(1)の一意性を使って係数比較する。(3)は同じ計算を巡回的に用いてG,H,Iの係数を並べ,3点が一致する条件として係数が一致することを調べる。

解答

t=12 のとき3本の線分は中線となり,交点は重心に一致する.

(1)

x+y+z=0より z=−x−y である。したがって xa⃗+yb⃗+zc⃗=0⃗ は x(a⃗−c⃗)+y(b⃗−c⃗)=0⃗ と書ける。3点A,B,Cは一直線上にないので,a⃗−c⃗とb⃗−c⃗は平行でない。よってこの一次結合が零ベクトルになるには x=0,y=0 でなければならない。するとz=−x−y=0である。したがって x=y=z=0 である。

(2)

内分点の位置ベクトルはd⃗=(1−t)b⃗+tc⃗,e⃗=(1−t)c⃗+ta⃗,f⃗=(1−t)a⃗+tb⃗である。

GはBE上にあるので,あるsを用いて g⃗=(1−s)b⃗+se⃗=sta⃗+(1−s)b⃗+s(1−t)c⃗ と表せる。またGはCF上にもあるので,あるuを用いて g⃗=(1−u)c⃗+uf⃗=u(1−t)a⃗+utb⃗+(1−u)c⃗ と表せる。係数の和はいずれも1なので,(1)の結果により係数を比較してよい。したがって st=u(1−t),1−s=ut,s(1−t)=1−u である。

これを解く。1−s=utよりu=(1−s)/tである。これを第一式に代入すると st=1−st(1−t) であり,s(t2−t+1)=1−t となる。よって s=1−tt2−t+1 である。したがって g⃗=t(1−t)a⃗+t2b⃗+(1−t)2c⃗t2−t+1 である。

(3)

(2) と同様に巡回的に計算すると,h⃗=(1−t)2a⃗+t(1−t)b⃗+t2c⃗t2−t+1 であり,i⃗=t2a⃗+(1−t)2b⃗+t(1−t)c⃗t2−t+1 である。

3点G,H,Iが一致するためには,(1)の係数の一意性により,a⃗,b⃗,c⃗の係数がそれぞれ一致すればよい。たとえばg⃗=h⃗を考えると,分母は共通なので t(1−t)=(1−t)2 が必要である。0<t<1だから1−t≠0であり,t=1−t を得る。したがって t=12 である。

実際にt=1/2のとき,G,H,Iの係数はいずれも 13,13,13 となるので3点は一致する。よって求める値は t=12 である。

別解

解法2((3):チェバの定理)

方針

3本の線分 AD,BE,CF が1点で交わる条件だけなら,辺上の3つの内分比へチェバの定理を適用すると一行で決まる.

解答

G,H,I が一致することは,3本の線分 AD,BE,CF が1点で交わることと同値である.チェバの定理より,その必要十分条件はBDDC⋅CEEA⋅AFFB=1である.各点は同じ比 t:(1−t) に内分するので(t1−t)3=1.0<t<1 より t/(1−t)>0 だからt1−t=1,t=12.逆に t=12 なら3本は三角形の中線であり,重心で交わる.したがって求める値はt=12である.

総評

難度6、計算量6。交点を2通りに表して係数比較する典型問題である。(1)により,係数の和が同じ表示なら係数を比較できることを先に準備している点が重要である。(3)はG,H,Iの式を巡回的に並べると,t=1/2で重心に一致することが見える。目安時間は22分前後。

内分点の係数は和が1なので,(1)で示した一意性を使って比較できる.(3)は係数比較とチェバの定理が相互検算になり,t=1/2 で交点が重心になる.

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出典: 東北大学 2009年度 後期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。