方針
(1) は,一直線上にない3点から作る2つの差ベクトルが平行でないことを使って係数の一意性を示す。(2)はを線分上と上の2通りに表し,(1)の一意性を使って係数比較する。(3)は同じ計算を巡回的に用いての係数を並べ,3点が一致する条件として係数が一致することを調べる。
解答
のとき3本の線分は中線となり,交点は重心に一致する.
(1)
より である。したがって は と書ける。3点は一直線上にないので,とは平行でない。よってこの一次結合が零ベクトルになるには でなければならない。するとである。したがって である。
(2)
内分点の位置ベクトルはである。
は上にあるので,あるを用いて と表せる。または上にもあるので,あるを用いて と表せる。係数の和はいずれも1なので,(1)の結果により係数を比較してよい。したがって である。
これを解く。よりである。これを第一式に代入すると であり, となる。よって である。したがって である。
(3)
(2) と同様に巡回的に計算すると, であり, である。
3点が一致するためには,(1)の係数の一意性により,の係数がそれぞれ一致すればよい。たとえばを考えると,分母は共通なので が必要である。だからであり, を得る。したがって である。
実際にのとき,の係数はいずれも となるので3点は一致する。よって求める値は である。
別解
解法2((3):チェバの定理)
方針
3本の線分 が1点で交わる条件だけなら,辺上の3つの内分比へチェバの定理を適用すると一行で決まる.
解答
が一致することは,3本の線分 が1点で交わることと同値である.チェバの定理より,その必要十分条件はである.各点は同じ比 に内分するので より だから逆に なら3本は三角形の中線であり,重心で交わる.したがって求める値はである.
総評
難度6、計算量6。交点を2通りに表して係数比較する典型問題である。(1)により,係数の和が同じ表示なら係数を比較できることを先に準備している点が重要である。(3)はの式を巡回的に並べると,で重心に一致することが見える。目安時間は22分前後。
内分点の係数は和が1なので,(1)で示した一意性を使って比較できる.(3)は係数比較とチェバの定理が相互検算になり, で交点が重心になる.