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東北大学 2010年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第4問

四面体ABCDにおいて,辺ABの中点をM,辺CDの中点をNとする.以下の問いに答えよ.

(1)
等式PA→+PB→=PC→+PD→
を満たす点Pは存在するか.証明をつけて答えよ.

(2)
点Qが等式∣QA→+QB→∣=∣QC→+QD→∣
を満たしながら動くとき,点Qが描く図形を求めよ.

(3)
点Rが等式∣RA→∣2+∣RB→∣2=∣RC→∣2+∣RD→∣2
を満たしながら動くとき,
内積MN→⋅MR→はRのとり方によらず一定であることを示せ.

(4)
(2)の点Qが描く図形と(3)の点Rが描く図形が一致するための必要十分条件は
∣AB→∣=∣CD→∣であることを示せ.

難易度7/ 10計算量6/ 10目安30分

ベクトル、図形と方程式 ベクトル成分計算、軌跡、必要十分条件

方針

中点 M,N を基準にして,ベクトル和と平方和をそれぞれ整理する。ベクトル和では点 P の位置ベクトルが消えるため,中点 M,N が一致するかどうかの問題になる。点 Q の条件は QM=QN に直し,点 R の条件は中点公式で RM2−RN2 に直す。最後は,(2) と (3) で得られる2つの平面の方程式を比較して,一致条件を定数項の一致として判定する。

解答

(1)
位置ベクトルを用いて考える。任意の点 P に対してPA→+PB→=(OA→−OP→)+(OB→−OP→)=OA→+OB→−2OP→である。同様にPC→+PD→=OC→+OD→−2OP→である。したがって条件はOA→+OB→=OC→+OD→と同値であり,点 P には依存しない。

ここで M,N はそれぞれ AB,CD の中点だからOM→=OA→+OB→2,ON→=OC→+OD→2である。よって上の条件は OM→=ON→ すなわち M=N を意味する。

しかし,M=N なら A=M+u⃗,B=M−u⃗,C=M+v⃗,D=M−v⃗ と書けるので,4点 A,B,C,D は M を通り u⃗,v⃗ で張られる同一平面上にある。これは四面体であることに反する。したがって 条件を満たす点 P は存在しない である。

(2)
中点 M,N を用いるとQA→+QB→=2QM→,QC→+QD→=2QN→である。したがって条件∣QA→+QB→∣=∣QC→+QD→∣は 2QM=2QN すなわち QM=QN と同値である。

よって点 Q の軌跡は,2点 M,N から等距離にある点全体である。したがって 線分 MN の垂直二等分平面 である。

(3)
中点公式を使う。M は AB の中点なので RA2+RB2=2RM2+12AB2 である。同様に RC2+RD2=2RN2+12CD2 である。与えられた条件から 2RM2+12AB2=2RN2+12CD2 となるので RM2−RN2=CD2−AB24 である。

ここで MR→=r⃗,MN→=n⃗ とおくと RM2=∣r⃗∣2,RN2=∣r⃗−n⃗∣2 である。したがってRM2−RN2=∣r⃗∣2−∣r⃗−n⃗∣2=2n⃗⋅r⃗−∣n⃗∣2.すなわち 2MN→⋅MR→−MN2=CD2−AB24 であるからMN→⋅MR→=MN22+CD2−AB28.右辺は四面体によって決まる定数であり,R のとり方に依存しない。よって MN→⋅MR→ は一定 である。

(4)
(2) の軌跡を式で表す。点 X が QM=QN に対応する平面上にあることは XM2=XN2 と同値である。MX→=x⃗,MN→=n⃗ とおくと ∣x⃗∣2=∣x⃗−n⃗∣2 より MN→⋅MX→=MN22 である。

一方,(3) の軌跡はMN→⋅MX→=MN22+CD2−AB28で表される平面である。四面体では M≠N なので,この2つは同じ法線方向をもつ平行な平面である。したがって両者が一致するための必要十分条件は,右辺の定数が等しいこと,すなわち CD2−AB28=0 である。よって AB2=CD2 であり,長さは正だから ∣AB→∣=∣CD→∣ が必要十分条件である。

【中点を結ぶ方向の確認】

2つの軌跡は、いずれも MN→ を法線にもつ平面になる。

総評

難度は10段階中7、計算量は10段階中6。目安時間は30分前後で、ベクトルの和を中点に直す発想と、平方和を中点公式で処理する力が問われる。得点の中心は、(1) で P が消えること、(2) で垂直二等分平面を出すこと、(3) で RM2−RN2 を内積に変えることの3点である。(4) は2つの平面の法線が同じであることを見て、定数項だけを比較すると整理しやすい。M=N の場合を四面体に反すると説明する部分と、長さ条件を二乗から戻す部分で論証を省かないことが重要である。

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出典: 東北大学 2010年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。