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東北大学 2010年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第1問

nを2以上の自然数とする.
x1,,xn,y1,,yn
x1>x2>>xny1>y2>>ynを満たす実数とする.
z1,,zny1,,ynを任意に並べ替えたものとするとき,i=1n(xiyi)2i=1n(xizi)2が成り立つことを示せ.
また,等号が成り立つのはどのようなときか答えよ.

難易度6/ 10計算量5/ 10目安25

数と式論証・証明 不等式評価対称性の利用、場合分け

方針

並べ替え z1,,zn に,大きい順になっていない隣接または2項の逆転があれば,その2つを入れ替えることで2乗和が小さくなることを示す。これを繰り返すと zi=yi の順に到達し,そのときが最小である。等号条件は,xiyi もすべて厳密に減少しているため,1回でも逆転交換が必要なら和が厳密に減ることから判定する。

解答

z1,,zny1,,yn の並べ替えであるとする。もし i<jzi<zj となる組があれば,zizj は大きい順に並んでいない。

この2つだけを入れ替えたときの2乗和の変化を調べる。入れ替える前の該当部分は (xizi)2+(xjzj)2 であり,入れ替えた後は (xizj)2+(xjzi)2 である。差を取ると {(xizi)2+(xjzj)2}{(xizj)2+(xjzi)2} =2(xixj)(zjzi). ここで i<j より xi>xj であり,また仮定より zj>zi である。したがって 2(xixj)(zjzi)>0 である。つまり,このような逆転を入れ替えると,2乗和は厳密に小さくなる。

この操作を繰り返すと,z1,z2,,zn は大きい順に並ぶ。y1>y2>>yn であり,ziyi の並べ替えなので,最終的には zi=yi(i=1,2,,n) となる。この過程で和は増えず,逆転があれば厳密に小さくなる。したがって i=1n(xiyi)2i=1n(xizi)2 が成り立つ。

等号について考える。もし ziyi と同じ順でなければ,ある i<j について zi<zj となる逆転が存在し,上の交換で2乗和が厳密に小さくなる。したがって等号は成り立たない。

よって等号が成り立つのは,はじめから zi=yi(i=1,2,,n) であるとき,かつそのときに限られる。

別解

解法2(内積和へ帰着)

方針

両辺の平方和を展開する。ziyi の並べ替えなので定数部分は一致し、問題は xiyixizi 以上であることへ帰着する。最大の y1 を先頭へ移す交換を繰り返し、帰納的に順序を確定する。

解答

まずi=1n(xizi)2i=1n(xiyi)2を展開する。z1,,zny1,,yn の並べ替えだからi=1nzi2=i=1nyi2であり、i=1n(xizi)2i=1n(xiyi)2=2(i=1nxiyii=1nxizi).そこで右辺の括弧が非負であることを示す。並び z1,,zn の中で最大の数 y1 が第 k 項にあるとする。k>1 なら z1<y1 である。z1zk=y1 を交換したとき、和 xizi の増加量はx1y1+xkz1(x1z1+xky1)=(x1xk)(y1z1)>0である。よって最大値を与える並びでは必ず z1=y1 でなければならない。

残る n1 項にも同じ議論を順に適用すると、xizi が最大となるのはzi=yi(i=1,,n)のときだけである。したがってi=1nxiyii=1nxizi.これを最初に展開した差の式へ戻せば、求める不等式を得る。

また xiyi はいずれも狭義減少列なので、順序が1か所でも異なれば上の交換で和は厳密に増える。よって等号成立はzi=yi(i=1,,n)のとき、かつそのときに限る。

総評

難度は10段階中6、計算量は10段階中5。目安時間は25分程度で、いわゆる並べ替えの不等式を2乗和の形で証明する問題である。全体を一度に比較するのではなく、逆順の2項を入れ替えたときの差を計算するのが最も安全である。xiyi がともに厳密な減少列なので、逆転があると差は必ず正になり、等号条件も一意に決まる。

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出典: 東北大学 2010年度 後期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。