Evolton

東北大学 2016年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第4問

多項式P(x)P(x)=(x+i)7(xi)72iにより定める。ただし,iは虚数単位とする。以下の問いに答えよ。

(1) P(x)=a0x7+a1x6+a2x5+a3x4+a4x3+a5x2+a6x+a7とするとき,
係数a0,,a7をすべて求めよ。

(2) 0<θ<πに対して,P(cosθsinθ)=sin7θsin7θが成り立つことを示せ。

(3) (1)で求めたa1,a3,a5,a7を用いて,
多項式Q(x)=a1x3+a3x2+a5x+a7を考える。
θ=π7として,k=1,2,3についてxk=cos2kθsin2kθとおく。このとき,Q(xk)=0が成り立つことを示し,x1+x2+x3の値を求めよ。

難易度7/ 10計算量7/ 10目安30

複素数平面三角関数 二項定理、三角比の利用、解と係数の関係

方針

(1) は二項定理で奇数番目のiを含む項だけが残ることを利用する。(2)はx=cotθとおき,x±i=(cosθ±isinθ)/sinθとして,ド・モアブルの形でsin7θを取り出す。(3)ではP(x)が偶関数なのでP(x)=Q(x2)と見て,xk=cot2kθQの根であることを示し,解と係数の関係で和を求める。

解答

(1)
二項定理より (x+i)7(xi)7 では,iの偶数乗を含む項は打ち消し合い,奇数乗を含む項だけが残る。したがってP(x)=12i{27C1x6i+27C3x4i3+27C5x2i5+27C7i7}=7x635x4+21x21である。よってa0=0,a1=7,a2=0,a3=35,a4=0,a5=21,a6=0,a7=1である。

(2) 0<θ<πなのでsinθ>0である。x=cosθsinθとおくとx+i=cosθ+isinθsinθ,xi=cosθisinθsinθである。したがってP(cosθsinθ)=12i(cosθ+isinθ)7(cosθisinθ)7sin7θ=sin7θsin7θである。

(3)
(1)より Q(x)=7x335x2+21x1 であり,また P(X)=Q(X2) である。 θ=π7とする。k=1,2,3では0<kθ<πであり,(2)をkθに適用できる。するとP(coskθsinkθ)=sin7kθsin7kθ=sinkπsin7kθ=0である。左辺はP(coskθsinkθ)=Q(cos2kθsin2kθ)=Q(xk)であるから Q(xk)=0 である。 ここで0<θ<2θ<3θ<π/2であり,cotuはこの区間で正かつ狭義に減少する。したがってx1,x2,x3は正で互いに異なる。3次方程式 7x335x2+21x1=0 の3つの根がx1,x2,x3なので,解と係数の関係より x1+x2+x3=357=5 である。

別解

解法2

方針

(1) で得たP(x)x=cotθを直接代入し,分母をsin7θへそろえる。分子は7倍角の加法定理を展開したsin7θそのものである。(3)はP(X)=Q(X2)を用いて3つのcot2(kπ/7)Qの相異なる根と確定し,解と係数の関係で和だけを読む。

解答

(1) 二項展開で奇数乗のiを含む項だけを残すとP(x)=7x635x4+21x21.したがって(a0,a1,a2,a3,a4,a5,a6,a7)=(0,7,0,35,0,21,0,1).(2) x=cotθを(1)の式へ代入するとP(cotθ)=7cos6θsinθ35cos4θsin3θ+21cos2θsin5θsin7θsin7θ.ここでSn=sinnθc=cosθs=sinθとおく。加法定理からSn+1=2cSnSn1,S0=0,S1=sである。順に代入すればnSn/s34c2148c34c516c412c2+1632c532c3+6c764c680c4+24c21を得る。s2=1c2を使うと最終行はS7=7sc635s3c4+21s5c2s7と書き直せる。よって分子はsin7θに等しい。0<θ<πではsinθ0だからP(cosθsinθ)=sin7θsin7θ.(3) (1)よりQ(x)=7x335x2+21x1,P(X)=Q(X2).θ=π/7とおくと,k=1,2,3に対してQ(cot2kθ)=P(cotkθ)=sin7kθsin7kθ=0.さらに0<θ<2θ<3θ<π/2であり,cotuはこの区間で正かつ狭義に減少するから,これら3数は相異なる。よってこれらが3次方程式Q(x)=0の3根である。解と係数の関係よりx1+x2+x3=357=5.

総評

難度7,計算量7。目安時間は30分。(1)はi3=i, i5=i, i7=iの符号を正確に追う。(2)はsinθ0を確認してから分母をsin7θにそろえ,7倍角の分子へ一致させることが最低限の採点点である。(3)ではP(X)=Q(X2)を介して根がcot2(kπ/7)であることを示す。3根が相異なる理由まで書き,個々の三角比を求めず解と係数の関係へ進めると完成度が高い。

冊子PDFで見る東北大の複素数平面の問題で問題集を作る

出典: 東北大学 2016年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。