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東北大学 2017年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第5問

α,β,γを複素数とし,複素数zについてzzˉ+αz+βzˉ+γ=0(*)を考える。

(1) z(αβˉ)z(αˉβ)zˉ+γγˉ=0を満たすことを示せ。

(2) α=β0とし,γは負の実数とする。このとき,()を満たすzがちょうど2個あるための必要十分条件をα,βを用いて表せ。

難易度7/ 10計算量6/ 10目安31

複素数平面 式変形、実部虚部比較、必要十分条件

方針

(1) は与式の共役を取り,元の式との差を計算する。(2)ではγが実数なので(1)から(αβˉ)zが実数であることを読み取る。δ=αβˉと置き,δ0ならδz=λと実数パラメータ化して元の式へ戻す。α=βにより1次項が消えることを計算で確認し,δ=0の場合は円になって無数解をもつことと比較する。

解答

(1)
与式 zzˉ+αz+βzˉ+γ=0 の共役をとると zzˉ+αˉzˉ+βˉz+γˉ=0 である。元の式からこの式を引くと (αβˉ)z+(βαˉ)zˉ+γγˉ=0 となる。βαˉ=(αˉβ)であるから (αβˉ)z(αˉβ)zˉ+γγˉ=0 を得る。

(2) γは負の実数であるからγγˉ=0である。δ=αβˉとおくと,(1)の式は δzδˉzˉ=0 である。これはδzが実数であることを表している。

まずδ0,すなわちαβˉとする。このとき実数λを用いて δz=λ と書けるので,z=λ/δである。これを元の式に代入するとλ2δ2+λ(αδ+βδˉ)+γ=0となる。ここでαδ+βδˉ=αδˉ+βδδ2=α(αˉβ)+β(αβˉ)δ2=α2β2δ2=0である。したがって λ2δ2+γ=0 となる。γ<0より λ=±δγ の2つの実数解があり,対応するzも2個である。

次にδ=0,すなわちα=βˉとする。このとき元の式は z2+αz+αˉzˉ+γ=0 であり,平方完成すると z+αˉ2=α2γ である。α0かつγ<0より右辺は正であるから,これは円を表し,解は無数にある。

よって,解がちょうど2個あるための必要十分条件は αβˉ である。

別解

解法2

方針

複素係数を実部・虚部に分け,元の方程式を円と直線の共通部分として解釈する。α=βにより円の中心から直線へ下ろした垂線の足が原点になり,γ<0から2交点をもつことが幾何的に分かる。

解答

(1) 与式の共役はzzˉ+βˉz+αˉzˉ+γˉ=0である。これを元の式から引けば(αβˉ)z(αˉβ)zˉ+γγˉ=0を得る。

(2) α=A+Biβ=C+Diz=x+yiとする。γは実数なので,実部・虚部の条件は{x2+y2+(A+C)x+(DB)y+γ=0,(B+D)x+(AC)y=0.第1式は中心P(A+C2,DB2)の円であり,第2式は原点を通る直線である。

まずαβˉとする。このとき第2式は真の直線で,方向ベクトルとしてv=(AC,BD)を取れる。中心の位置ベクトルとの内積はOPv=12{(A2+B2)(C2+D2)}=0である。ここでα=βを用いた。したがって円の中心からこの直線への垂線の足は原点である。一方,円の半径をRとするとR2=OP2γ>OP2であるから,直線は円を異なる2点で横切る。よって解はちょうど2個である。

α=βˉなら第2式は恒等的に0となり,第1式の円周上のすべての点が解になる。したがって必要十分条件はαβˉである。

総評

難度7,計算量6。目安時間は31分。(1)の差を取るだけなら短いが,(2)ではその式が「(αβˉ)zは実数」という制約を表すことに気づけるかが核心である。α=βで1次項が消える計算を省くと必要十分性が弱くなる。α=βˉの場合を忘れると,2解ではなく円周上の無数解になる点を見落とすので注意したい。

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出典: 東北大学 2017年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。