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東北大学 2017年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第6問

a,b,cを実数とし,a0とする。I(a,b)=0π/2eaxcosbxdx,J(a,b,c)=0π/2eaxsinbxsincxdxとおく。

(1) I(a,b)を求めよ。

(2) J(a,b,c)I(a,b+c)I(a,bc)を用いて表せ。

(3) 次の極限を求めよ。limt80π/2exsintxsin2txcos3txcos4txdx

難易度7/ 10計算量7/ 10目安32

積分三角関数 部分積分、三角比の利用極限計算

方針

(1)eaxcosbxの原始関数を,微分して戻る形で求める。(2)はsinbxsincxを積和公式でcos(bc)xcos(b+c)xに分ける。(3)は4つの三角関数の積を積和公式で余弦の和に展開し,定数項だけが極限に残ることを(1)の評価式から示す。振動項はI(1,kt)の形になり,分母が1+k2t2で増えるため0に近づく。

解答

(1) ddx{eax(acosbx+bsinbx)a2+b2}=eaxcosbxである。したがってI(a,b)=[eax(acosbx+bsinbx)a2+b2]0π/2であり,I(a,b)=eaπ/2(acosbπ2+bsinbπ2)aa2+b2である。

(2)
積和公式より sinbxsincx=12{cos(bc)xcos(b+c)x} である。よって J(a,b,c)=12{I(a,bc)I(a,b+c)} である。

(3) u=txとおく。積和公式を順に用いるとsinusin2ucos3ucos4u=1814cos4u+18cos6u+18cos8u18cos10uである。したがって,求める積分をKtとおくとKt=80π/2ex(1814cos4tx+18cos6tx+18cos8tx18cos10tx)dxである。

(1) の式から,正の定数kに対して 0π/2excosktxdx=I(1,kt) であり,その絶対値はtで0に近づく。実際,分母は1+k2t2で,分子は高々tの程度で増えるだけである。

したがって極限に残るのは定数項だけであり,limtKt=8180π/2exdx=eπ/21 である。

別解

解法2

方針

複素指数関数を使い,I(a,b)を複素積分の実部として求める。(3)では三角関数積のフーリエ展開における定数項を取り出し,非零周波数の積分がO(1/t)で消えることを評価する。

解答

(1) eaxcosbxe(a+ib)xの実部であるからI(a,b)=[e(a+ib)xa+ib]0π/2.分母を実数化して実部を取るとI(a,b)=eaπ/2(acosbπ2+bsinbπ2)aa2+b2.(2) 積和公式からsinbxsincx=12{cos(bc)xcos(b+c)x}なのでJ(a,b,c)=12{I(a,bc)I(a,b+c)}.(3) 複素指数関数を掛け合わせて同じ周波数をまとめると8sinusin2ucos3ucos4u=12cos4u+cos6u+cos8ucos10u.したがって求める式は0π/2ex{12cos4tx+cos6tx+cos8txcos10tx}dxである。正の定数mについて,(1)から0π/2excos(mtx)dxeπ/2(1+mt)+11+m2t20.よって極限に残るのは定数項だけであり,答えは0π/2exdx=eπ/21である。

総評

難度7,計算量7。目安時間は32分。前半の積分公式は標準だが,(3)では三角関数の積を正しく展開できるかでほぼ決まる。定数項1/8を落とすと極限全体が消えてしまう。振動項が0に近づく理由は感覚で済ませず,(1)のI(1,kt)を使って分母の増大を示すと説得力がある。

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出典: 東北大学 2017年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。