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東北大学 2019年度 後期日程 第2次学力試験文系(後期)数学 第3問

1辺の長さが1の正四面体OABCを考える。

(1)OA上を動く点Pと辺BC上を動く点Qに対して,
線分PQの長さが最小となるとき,
ベクトルPQ
OAOBOCで表せ。

(2)RABCの内部および辺上を動くとする。
(1)で求めたPQORのなす角をθとする。
内積PQORが最大となるような
cosθのとりうる値の範囲を求めよ。

難易度7/ 10計算量6/ 10目安26

ベクトル ベクトル成分計算内積の利用、範囲評価

方針

正四面体なので、OA,OB,OC の長さはすべて1で、相異なる2つの内積は 12 である。点 PQ を辺上のパラメータで表し、線分 PQ が最短となる条件を、PQ が辺 OA と辺 BC の方向に垂直であることとして立てる。(2)は R を三角形 ABC の重心座標で表し、内積が最大になるのは R が辺 BC 上にあるときだと分かるので、そのときの OR の範囲から cosθ の範囲を出す。

解答

(1) a=OA,b=OB,c=OCとおく。正四面体の1辺の長さは1なので a=b=c=1 であり、相異なる2つのベクトルのなす角は 60 だから ab=bc=ca=12 である。 P は辺 OA 上にあるから OP=sa(0s1) とおける。また Q は辺 BC 上にあるから OQ=(1u)b+uc(0u1) とおける。よって PQ=sa+(1u)b+uc である。

線分 PQ が最短となるとき、PQ は辺 OA の方向 a と辺 BC の方向 cb の両方に垂直である。したがってPQa=0,PQ(cb)=0である。計算すると s+12=0,2u12=0 となるので s=12,u=12 である。したがってPQ=12OA+12OB+12OCである。

(2) R は三角形 ABC の内部または辺上を動くのでOR=λa+μb+νc,λ,μ,ν0,λ+μ+ν=1とおける。(1)で求めたベクトルを v=12a+12b+12c とおく。このときvOR=μ+ν2=1λ2である。したがって内積が最大となるのは λ=0 のとき、すなわち R が辺 BC 上にあるときであり、その最大値は 12 である。

またv2=12a+12b+12c2=12だから v=12 である。R が辺 BC 上を動くとき、OR は辺の中点で最小、端点で最大となる。中点ではb+c22=1+1+2124=34なので 32OR1 である。

内積が最大となる場合にcosθ=vORvOR=1/2(1/2)OR=12ORである。したがって 12cosθ23 である。

別解

解法2(正四面体を座標化する)

方針

正四面体を具体的な座標に置き、辺上の点 P,Q を2変数で表す。距離の2乗を平方完成して両辺の中点を得た後、重心座標で R を表して内積と長さを評価する。

解答

(1) O=(0,0,0),A=(1,0,0),B=(12,32,0),C=(12,36,23)とおく。これは各辺の長さが1の正四面体である。

P=(s,0,0)Q=(1u)B+uC とおくとPQ2=(s12)2+(u12)2+12.したがって最小となるのは s=u=1/2 のときである。ゆえにPQ=12OA+12OB+12OC.(2)v=PQ,OR=λa+μb+νcとおく。ただし λ,μ,ν0λ+μ+ν=1 である。正四面体の内積を用いるとva=0,vb=vc=12.よってvOR=μ+ν2=1λ2.最大値 1/2λ=0、すなわち R が辺 BC 上にあるときに得られる。

このとき v=1/2 であり、RBC 上を動くと32OR1.したがってcosθ=12ORより12cosθ23.

総評

難度7、目安時間26分。正四面体のベクトル計算では、長さ1と内積 12 を最初に固定すると式が安定する。(1)の最短条件は、最短線分が両方の辺の方向に垂直になるという空間図形の基本である。(2)は内積最大の条件と cosθ の範囲が別段階である点に注意したい。内積最大は辺 BC 上で起こり、その中で OR が動くため、cosθ には幅が生じる。

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出典: 東北大学 2019年度 後期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。