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東北大学 2019年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第4問

関数f(x)は連続な第2次導関数f(x)をもち,
すべての実数xに対してf(x)の値が正であるとする。

(1) 異なる2つの実数xyに対して,次の関数を考える。p(t)=(1t)f(x)+tf(y)f((1t)x+ty)(tは実数)(*)このときp(0)>0,p(1)<0が成り立つことを示せ。

(2) 0<t<1を満たす実数tに対して,
(*)で与えた関数p(t)の値が正であることを示せ。

(3) a<b<c<dを満たす実数a,b,c,dに対して,
次の不等式が成り立つことを示せ。f(da)+f(cb)>f(db)+f(ca)

難易度7/ 10計算量6/ 10目安24

微分論証・証明 平均値の定理、増減表不等式評価

方針

f(x)>0 から f(x) が狭義単調増加であることを使う。(1)は p(t) を計算し、平均値の定理で f(y)f(x)=(yx)f(ξ) と書いて端点での符号を判定する。(2)は p(t)<0 から p のグラフが上に凸で、端点 p(0)=p(1)=0 を結ぶ弦より上にあることを用いる。(3)は差分 F(u)=f(u+δ)f(u) を作り、F が増加することに帰着する。

解答

(1) p(t)=(1t)f(x)+tf(y)f((1t)x+ty) である。微分すると p(t)=f(y)f(x)(yx)f((1t)x+ty) である。

平均値の定理より、xy の間にある実数 ξ が存在して f(y)f(x)=(yx)f(ξ) と書ける。また f(x)>0 より f(x) は狭義単調増加である。

まず x<y とする。このとき x<ξ<y なので p(0)=(yx){f(ξ)f(x)}>0 であり、p(1)=(yx){f(ξ)f(y)}<0 である。y<x の場合も、yx<0 であることと y<ξ<x を用いれば同じく p(0)>0,p(1)<0 が得られる。

(2)
さらに微分すると p(t)=(yx)2f((1t)x+ty)<0 である。したがって p(t) のグラフは上に凸である。また p(0)=0,p(1)=0 である。上に凸で直線ではないグラフは、端点を結ぶ線分よりも内部で上にある。端点を結ぶ線分は y=0 であるから、0<t<1 では p(t)>0 である。

(3) δ=ba>0 とおき、F(u)=f(u+δ)f(u) を考える。微分すると F(u)=f(u+δ)f(u) である。f は狭義単調増加で、u+δ>u だから F(u)>0 である。したがって F(u) は狭義単調増加である。 a<b<c<d より db>cb である。よって F(db)>F(cb) である。これを展開すると f(da)f(db)>f(ca)f(cb) であり、移項して f(da)+f(cb)>f(db)+f(ca) を得る。

別解

解法2(狭義凸性を2回適用する)

方針

(1) (2)で f>0 から狭義凸性を示す。(3)では dbca が、dacb を互いに逆の比で内分することを確かめ、(2)を2本足す。

解答

(1) p(t)=f(y)f(x)(yx)f((1t)x+ty).平均値の定理により、x,y の間の ξ を用いてf(y)f(x)=(yx)f(ξ)と書ける。f>0 だから f は狭義単調増加である。x<yy<x のどちらでも符号を合わせて比較すればp(0)>0,p(1)<0.(2)p(t)=(yx)2f((1t)x+ty)<0.したがって p は狭義に上に凸であり、p(0)=p(1)=0 だからp(t)>0(0<t<1).すなわち、相異なる X,Y0<t<1 に対しf((1t)X+tY)<(1t)f(X)+tf(Y)である。

(3) X=da,Y=cbとおく。X>Y であり、λ=dc(ba)+(dc)とおけば 0<λ<1 である。直接計算するとdb=λX+(1λ)Y,またca=(1λ)X+λY.(2)をそれぞれに適用してf(db)<λf(X)+(1λ)f(Y),f(ca)<(1λ)f(X)+λf(Y).辺々を加えればf(db)+f(ca)<f(da)+f(cb),したがって示す不等式が得られる。

総評

難度7、目安時間24分。f>0 から f が増加するという基本事実を、平均値の定理や差分の増加にどう使うかが問われる。(1)では x<yy<x の符号を雑に扱うと危険なので、平均値の定理で中間点を置くのが安全である。(2)は p<0 と端点値0から内部正を読む問題。(3)は4変数をそのまま扱わず、ba の差分関数を作ると一行の増加性に帰着する。

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出典: 東北大学 2019年度 後期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。