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東北大学 2019年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第6問

複素数平面上の互いに異なる4点A(z1)B(w1)C(z2)D(w2)を考える。

(1) 次の等式が成立することを示せ。z1w1+z2w22=(z12+z22)(w12+w22)z1w2z2w12(2) 2つの等式z1w1+z2w22=(z12+z22)(w12+w22)(*)z1=w1(**)が成り立つとき,2つの直線ABCDは平行であることを示せ。

(3) 2つの等式(*),(**)が成り立ち,4点ABCDが同一直線上にないならば,
これらの4点はある直線に関して対称な四角形の頂点となることを示せ。

難易度8/ 10計算量7/ 10目安34

複素数平面論証・証明 式変形、複素数の極形式、図形的解釈

方針

(1) は両辺を展開して、差として現れる項が打ち消されることを確認する。(2)では(1)から、等号 (*) が成り立つ条件は z1w2z2w1=0 であると分かる。図形全体を回転して w1 を正の実数にし、z1=w1 から z1=w1eiθ と置くと、等号条件から z2=eiθw2 が得られる。これは同じ直線に関する反射を表すので、平行性と対称性が読める。

解答

(1)
右辺の最後の項を展開する。z1w2z2w12=(z1w2z2w1)(z1w2z2w1)=z12w22+z22w12z1z2w2w1z1z2w2w1である。したがって(z12+z22)(w12+w22)z1w2z2w12=z12w12+z22w22+z1w1z2w2+z1w1z2w2=z1w1+z2w22である。よって示す等式が成り立つ。

(2)
(1)より、等式 (*) が成り立つことは z1w2z2w12=0 すなわち z1w2=z2w1 と同値である。

図形全体を原点のまわりに回転しても、平行性や対称性は変わらない。そこで w1 を正の実数としてよい。z1=w1 より、ある実数 θ を用いて z1=w1eiθ と書ける。4点は互いに異なるので z1w1 であり、eiθ1 としてよい。等号条件から z2=eiθw2 である。

直線 AB の方向を表す複素数は w1z1=w1(1eiθ) である。一方、w2=ρeiϕ と書けばw2z2=ρeiϕρei(θϕ)=2iρeiθ/2sin(ϕθ2)であり、w1z1=2iw1eiθ/2sinθ2 である。したがって w2z2w1z1 の比は実数である。よって2つの直線 ABCD は平行である。

(3)
(2)と同じ表示を用いる。直線 argz=θ2 を考える。この直線に関する反射は、複素数 zzeiθz へ移す操作である。 w1 は正の実数であり、z1=eiθw1 であるから、点Aと点Bはこの直線に関して対称である。また z2=eiθw2 であるから、点Cと点Dも同じ直線に関して対称である。

4点が同一直線上にないなら、これら4点は退化せず、2組の対称な点の組として1つの四角形の頂点になる。したがって、4点 A,B,C,D はある直線に関して対称な四角形の頂点となる。

別解

解法2(反射写像を直接作る)

方針

(1) の等式から等号条件を取り出す。z1=w1 を使って絶対値1の複素数 η=z1/w1 を作ると、2組の点が同じ写像 zηz で移り合うことが分かる。

解答

(1)
右辺を展開すると(z12+z22)(w12+w22)z1w2z2w12=z1w12+z2w22+z1w1z2w2+z1w1z2w2=z1w1+z2w22.(2)
(1)と等式(*)からz1w2=z2w1を得る。もし w1=0 なら (**) から z1=0 となってAとBが一致するので、w10 である。そこでη=z1w1とおく。(**)より η=1 であり、z1=ηw1,z2=ηw2.写像T(z)=ηzは、η=eiθ と書けば直線 argz=θ/2 に関する反射である。したがって線分ABとCDはいずれもこの反射軸に垂直であり、ABCD.(3)
上で作った同じ反射 TT(w1)=z1,T(w2)=z2を満たす。すなわちAとB、CとDは同一の直線に関してそれぞれ対称である。4点が同一直線上にないという条件により退化しない四角形を作るので、4点はこの直線に関して対称な四角形の頂点となる。

総評

難度8、目安時間34分。(1)の恒等式は複素数版の平方展開で、等号条件を読み取るための準備である。(2)では等号条件を z1w2=z2w1 とし、回転して w1 を正の実数にしてから極形式で見ると、平行性が実数倍の確認に帰着する。(3)では zeiθz がある直線に関する反射であることを明示するのが重要である。計算と図形解釈を結びつける力が問われる。

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出典: 東北大学 2019年度 後期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。