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東北大学 2019年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第3問

aを実数とし,数列{xn}を次の漸化式によって定める。x1=a,xn+1=xn+xn2(n=1,2,3,)(1) a>0のとき,数列{xn}が発散することを示せ。

(2) 1<a<0のとき,すべての正の整数nに対して1<xn<0が成り立つことを示せ。

(3) 1<a<0のとき,数列{xn}の極限を調べよ。

難易度5/ 10計算量4/ 10目安16

数列 帰納的定義の利用、範囲評価、漸化式の変形

方針

xn+1xn=xn2 に注目する。a>0 では正のまま増加し、しかも各差が少なくとも a2 になるため、無限大へ発散する。1<a<0 では写像 xx(1+x) が区間 (1,0) を保つことを帰納法で示す。その後、単調増加かつ上に有界であることから極限を持ち、漸化式に代入して極限を決める。

解答

(1) a>0 とする。x1=a>0 であり、xn>0 なら xn+1=xn+xn2>xn>0 である。したがって帰納法により、すべての nxn>0 かつ xna である。

さらに xn+1xn=xn2a2 だから、xna+(n1)a2 である。右辺は n で無限大へ発散するので、xn である。したがって数列 {xn} は発散する。

(2) 1<a<0 とする。x1=a なので 1<x1<0 である。いま 1<xn<0 と仮定すると 0<1+xn<1 であり、xn+1=xn(1+xn) である。ここで xn<01+xn>0 だから xn+1<0 である。また xn+1=xn(1+xn)<xn<1 なので xn+1>1 である。したがって 1<xn+1<0 である。数学的帰納法により、すべての正の整数 n について 1<xn<0 が成り立つ。

(3)
(2)より xn<0 であり、また xn+1xn=xn2>0 なので、数列 {xn} は単調増加である。さらに xn<0 だから上に有界である。よって極限 L が存在する。

漸化式の両辺で極限を取ると L=L+L2 である。したがって L2=0 より limnxn=0 である。

別解

解法2(逆数で極限を直接押さえる)

方針

(1) (2)を帰納法で確認した後、1<a<0 では yn=1/xn とおく。yn の増加量が1より大きいことを示し、yn から xn0 を得る。

解答

(1)
a>0 なら xn+1xn=xn2>0 なので xna である。したがってxna=k=1n1xk2(n1)a2,よって xn である。

(2)
1<xn<0 と仮定するとxn+1=xn(1+xn)<0であり、また 0<1+xn<1 だからxn+1=xn(1+xn)<xn<1.初期値 1<a<0 と合わせ、帰納法により 1<xn<0 が続く。

(3)
(2)よりyn=1xn>1とおける。漸化式からyn+1=1xn(1+xn)=yn2yn1=yn+1+1yn1>yn+1.したがって yn>y1+n1 であり、yn である。ゆえにxn=1yn0.

総評

難度5、目安時間16分。xn+1=xn(1+xn)xn+1xn=xn2 の2つの見方を使い分ける問題である。正の場合は差が少なくとも一定量 a2 あるため発散まで示せる。負の場合は区間 (1,0) が保たれることを丁寧に示し、そのうえで単調増加・上に有界から極限を持つと結論する。極限候補は0だけだが、先に収束の根拠を書くことが大切である。

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出典: 東北大学 2019年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。