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東北大学 2019年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第6問

10個の玉が入っている袋から1個の玉を無作為に取り出し,
新たに白玉1個を袋に入れるという試行を繰り返す。
初めに,袋には赤玉5個と白玉5個が入っているとする。
この試行をm回繰り返したとき,
取り出した赤玉が全部でk個である確率をp(m,k)とする。
2以上の整数nに対して,以下の問いに答えよ。

(1) p(n+1,2)p(n,2)p(n,1)を用いて表せ。

(2) p(n,1)を求めよ。

(3) p(n,2)を求めよ。

難易度6/ 10計算量6/ 10目安24

確率数列 確率漸化式状態分類和の計算

方針

赤玉を何個取り出したかで袋の中の赤玉数が決まる。すでに k 個の赤玉を取り出していれば、残る赤玉は 5k 個である。(1)は、n 回後に赤玉2個で次に白を引く場合と、赤玉1個で次に赤を引く場合を足す。(2)は赤玉が初めて1回だけ出る時刻を固定して和を取る。(3)は(1)の一次漸化式に(2)の式を代入して解く。

解答

(1) n+1 回の試行後に、取り出した赤玉が全部で2個となる場合を考える。 n 回後までにすでに赤玉を2個取り出している場合、袋には赤玉が3個、白玉が7個ある。この状態で次に白玉を取り出せば、赤玉を取り出した総数は2個のままである。その確率は 710 である。 n 回後までに赤玉を1個取り出している場合、袋には赤玉が4個、白玉が6個ある。この状態で次に赤玉を取り出せば、総数が2個になる。その確率は 410=25 である。したがって p(n+1,2)=710p(n,2)+25p(n,1) である。

(2)
赤玉をちょうど1回取り出す時刻を j とする。j 回目より前はすべて白玉を取り出す必要がある。赤玉をまだ取り出していない間は、赤玉5個、白玉5個なので、白玉を取り出す確率は 12 である。j 回目に赤玉を取り出す確率も 12 である。

その後は赤玉を1個取り出した状態なので、袋には赤玉4個、白玉6個があり、白玉を取り出す確率は 35 である。よって p(n,1)=j=1n(12)j(35)nj である。これは等比数列の和で、p(n,1)=(35)nj=1n(56)j=5{(35)n(12)n}となる。したがってp(n,1)=5{(35)n(12)n}である。

(3)
(1)より p(n+1,2)710p(n,2)=25p(n,1) である。qn=(107)np(n,2) とおくと qn+1qn=(107)n+125p(n,1) である。(2)を代入し、p(1,2)=0 から和を取るとp(n,2)=10{(710)n2(35)n+(12)n}を得る。したがってp(n,2)=10{(710)n2(35)n+(12)n}である。分母を 10n にそろえると、同値に p(n,2)=101n(7n26n+5n) である。

別解

解法2(赤玉を引く時刻を固定する)

方針

赤玉を1個だけ引く場合はその時刻を、2個引く場合は2つの時刻を固定する。各区間で白玉を引く確率が 1/2, 3/5, 7/10 と変わることを掛け、等比和を取る。

解答

(1)
n 回までに赤玉を2個引き、次に白玉を引く場合と、赤玉を1個引き、次に赤玉を引く場合に分ける。したがってp(n+1,2)=710p(n,2)+25p(n,1).(2)
赤玉を引く唯一の時刻を j とする。赤玉を引く前の白玉確率と j 回目の赤玉確率はともに 1/2、その後の白玉確率は 3/5 である。よってp(n,1)=j=1n(12)j(35)nj=5{(35)n(12)n}.(3)
赤玉を引く時刻を 1i<jn とする。その出方の確率は(12)i(35)ji125(710)nj.したがってp(n,2)=1i<jn(12)i(35)ji125(710)nj.まず i について、次に j について等比和を計算するとp(n,2)=10{(710)n2(35)n+(12)n}.すなわちp(n,2)=101n(7n26n+5n).

総評

難度6、目安時間24分。袋の中の赤玉数は、これまでに取り出した赤玉の個数だけで決まるため、状態分類が有効である。(2)では赤玉が1回だけ出る時刻を固定すると、前後の白玉確率が 1235 に分かれる。(3)は一次漸化式として解くのが標準だが、最終式の第1項が (710)n、第2項が (35)n、第3項が (12)n になる理由を、(1)(2)の状態遷移と対応させて確認したい。

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出典: 東北大学 2019年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。