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東北大学 2025年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第3問

四面体OABCにおいて,OA=a
OB=bOC=cとする。
DAD=3AB+2ACを満たすとする。
このとき,以下の問いに答えよ。

(1) 四面体OABCの体積をVとするとき,四角錐OABDCの体積をVを用いて表せ。

(2) OD
a,b,cを用いて表せ。

(3) 線分ADと線分BCの交点をPとするとき,
OPb,cを用いて表せ。

(4) 四面体OABCが1辺の長さ1の正四面体のとき,線分ODの長さを求めよ。

難易度5/ 10計算量5/ 10目安20

ベクトル ベクトル成分計算、面積比、内積の利用

方針

DA を基準に 3AB+2AC だけ動いた点なので,平面 ABC 上にある。平面内で A を原点,AB,AC を2つの基準方向とすると,B=(1,0),C=(0,1),D=(3,2) と見なせる。(1) はこの平面内の面積比を体積比へ移す。(3) は AD 上と BC 上の2通りで P を表し,係数比較する。正四面体の場合は a=b=c=1,相互の内積が 1/2 であることを用いて OD2 を計算する。

解答

(1)
DAD=3AB+2AC を満たすので,平面 ABC 上にある。平面 ABC 内で,点 A を原点,ABAC を基準の2方向として座標を考える。このとき A=(0,0),B=(1,0),C=(0,1),D=(3,2) と表せる。

図は平面 ABC 内の斜交座標を模式的に描いたものである。D は三角形 ABC の外にあり、四角形の頂点順は A,B,D,C となる。

三角形 ABC の面積は,この座標で 12 に対応する。一方,四角形 ABDC の面積は,頂点を A,B,D,C の順に見て,三角形 ABD と三角形 ADC に分けると [ABD]=1212=1,[ADC]=1231=32 である。したがって [ABDC]=1+32=52 である。よって [ABDC]:[ABC]=52:12=5:1 である。

四角錐 OABDC と四面体 OABC は,頂点 O から平面 ABC への高さが同じである。したがって体積比は底面積比に等しく,四角錐 OABDC の体積は 5V である。

(2) AB=ba,AC=caであるからAD=3(ba)+2(ca)=5a+3b+2cである。したがってOD=OA+AD=a+(5a+3b+2c)より OD=4a+3b+2c である。

(3)
P は線分 AD 上にあるので,ある実数 s を用いてOP=OA+sAD=a+s(5a+3b+2c)と表せる。すなわち OP=(15s)a+3sb+2sc である。

一方,点 P は線分 BC 上にもある。線分 BC 上の点は b,c の係数の和が1で,a の成分をもたない形で表される。したがって上の式で a の係数が0でなければならない。よって 15s=0 から s=15 である。したがって OP=35b+25c である。これは係数がどちらも 0 以上で和が1なので,確かに線分 BC 上の点を表している。ゆえに OP=35b+25c である。

(4)
四面体 OABC が1辺の長さ1の正四面体であるから a=b=c=1 であり,また三角形 OAB,OBC,OCA はすべて正三角形なので ab=bc=ca=12 である。(2)より OD=4a+3b+2c だからOD2=16a2+9b2+4c2+2(4)(3)(ab)+2(4)(2)(ac)+2(3)(2)(bc)=16+9+4+2(1212812+612)=29+2(64+3)=15である。したがって OD=15 である。

総評

難度5、計算量5、想定時間20分。公式の出題意図は、空間ベクトルの典型設定を正確に読み、論証を破綻なく進めることにある。平面 ABC 内で A を原点、AB,AC を基準方向にすると B=(1,0),C=(0,1),D=(3,2) となり、体積比・交点・位置ベクトルを一つの図で管理できる。(3) は s=1/5 が線分の範囲に入り、(3/5)+(2/5)=1 となることまで確認する。(4) は正四面体の辺ベクトル間の内積 1/2 を用い、交差項を落とさず計算する。

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出典: 東北大学 令和7年度一般選抜(前期日程)文系数学(公式問題・出題意図・講評)(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。