方針
交点は x=0 と,2次方程式 x2−(4+k)x+4=0 の2つの正の解である。これを 0<α<2<β と置くと,αβ=4,α+β=4+k である。2つの曲線の上下差は x(x−α)(x−β) となり,[0,α] と [α,β] で符号が反対になる。2つの面積が等しいことは,符号付き面積 ∫0βx(x−α)(x−β)dx が0であることと同値なので,α=4/β として β を求め,最後に k=α+β−4 に戻す。
解答
曲線 y=x(x−2)2 と放物線 y=kx2 の交点を求める。交点の x 座標は x(x−2)2=kx2 を満たす。整理すると x{(x−2)2−kx}=0 すなわち x{x2−(4+k)x+4}=0 である。したがって x=0 は交点である。 k>0 なので,2次方程式 x2−(4+k)x+4=0 は正の2解をもつ。これらを 0<α<β とおくと,解と係数の関係より α+β=4+k,αβ=4 である。また αβ=4 かつ α+β>4 なので 0<α<2<β である。
上下差を考えると x(x−2)2−kx2=x(x−α)(x−β) である。0<x<α ではこれは正,α<x<β では負である。したがって,2つの部分の面積が等しいことは,正負をつけた面積の和が0であること,すなわち ∫0βx(x−α)(x−β)dx=0 と同値である。 αβ=4 より α=β4 である。よって∫0βx(x−α)(x−β)dx=∫0β{x3−(α+β)x2+αβx}dx=∫0β{x3−(β+β4)x2+4x}dx=4β4−3(β+β4)β3+2β2=4β4−3β4+4β2+2β2=12β2(8−β2)である。これが0で,β>0 だから β2=8 すなわち β=22 である。したがって α=β4=2 である。
このときの2曲線と3交点の位置関係は次の図のようになる。
最後に α+β=4+k より k=α+β−4=2+22−4=32−4 である。これは正の実数である。よって求める値は k=32−4 である。
総評
難度6、計算量5、想定時間20分。公式の出題意図は、2曲線の交点と囲まれた2領域の面積を正確に扱うことにある。交点を 0,α,β と置けば αβ=4、α+β=4+k であり、上下差は x(x−α)(x−β) となる。2面積が等しい条件を符号付き積分 ∫0βx(x−α)(x−β)dx=0 にまとめると計算を一本化できる。公式講評が示す通り、2次方程式の根、上下関係、積分計算の各段階を省略せず、最後に k>0 も確認する。
冊子PDFで見る東北大の関数の問題で問題集を作る
出典: 東北大学 令和7年度一般選抜(前期日程)文系数学(公式問題・出題意図・講評)(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。