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東北大学 2025年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第6問

nを3以上の整数とする。このとき,以下の問いに答えよ。

(1) rを2以上かつn以下の整数とするとき,nCrnr<1r!を示せ。

(2) 次の不等式が成り立つことを示せ。(1+1n)n<1+1+12!+13!+⋯+1n!(3) 次の不等式が成り立つことを示せ。(1+1n)n<14(11−13n−2)

難易度4/ 10計算量3/ 10

数列、論証・証明 不等式評価、式変形

方針

左辺を二項定理で展開すると,(1)の式がそのまま各項の評価になる。
その後,階乗の逆数の和を等比数列の和で上から押さえる。
二項係数,階乗,等比数列の順に評価する
r≥2ならnCr/nrには1より小さい因子がある。
またr≥3ではr!≥2⋅3r−2。
後半の和を公比1/3の有限等比数列に置き換える。

(1) の不等号が厳密である一方,階乗の評価では等号になる項がある。
各段階で<と≤を区別し,最後の結論がなぜ<になるかを明記する。
自然対数の底や無限級数を使わず,有限の和だけで証明できる。

解答

(1) 2≤r≤nよりnCrnr=1r!(1−1n)⋯(1−r−1n).各因子は正で1以下,最初の因子1−1/nは1より小さい。
よって積は1より小さく,nCrnr<1r!.(2) 二項定理より(1+1n)n=1+1+∑r=2nnCrnr.(1)を各項に適用すれば(1+1n)n<2+∑r=2n1r!.これは示すべき不等式である。

(3) r≥3では,r!=2⋅3⋅4⋯rの3以降の因子がすべて3以上なのでr!≥2⋅3r−2,1r!≤12⋅3r−2.有限等比数列の和から∑r=3n1r!≤16∑j=0n−3(13)j=14(1−13n−2).これを(2)に代入すると(1+1n)n<2+12+14(1−13n−2)=14(11−13n−2).

別解

別解・背景

方針

二項展開の隣り合う項の比で直接上から評価する。

解答

Tr=nCr/nrとおく。T0=T1=1,T2=(n−1)/(2n)<1/2であり,Tr+1Tr=n−rn(r+1)<1r+1(1≤r<n).したがってTr<1/r!(2≤r≤n)を順に得る。
さらにT3<1/6で,r≥3ではTr+1/Tr<1/3なのでTr<16(13)r−3(3≤r≤n).よって展開式を直接評価して(1+1n)n<2+12+16∑j=0n−33−j=14(11−3−(n−2)).隣接項の比を使う方法では,階乗の和を経由せず,二項展開の各項を等比数列で評価している。

総評

各段階の厳密不等号と等号を含む評価を区別し、有限等比数列の末項まで計算する。

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出典: 東北大学 2025年度 後期日程 数学(理系)(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。