方針
左辺を二項定理で展開すると,(1)の式がそのまま各項の評価になる。
その後,階乗の逆数の和を等比数列の和で上から押さえる。
二項係数,階乗,等比数列の順に評価する
r≥2ならnCr/nrには1より小さい因子がある。
またr≥3ではr!≥2⋅3r−2。
後半の和を公比1/3の有限等比数列に置き換える。
(1) の不等号が厳密である一方,階乗の評価では等号になる項がある。
各段階で<と≤を区別し,最後の結論がなぜ<になるかを明記する。
自然対数の底や無限級数を使わず,有限の和だけで証明できる。
解答
(1) 2≤r≤nよりnrnCr=r!1(1−n1)⋯(1−nr−1).各因子は正で1以下,最初の因子1−1/nは1より小さい。
よって積は1より小さく,nrnCr<r!1.(2) 二項定理より(1+n1)n=1+1+r=2∑nnrnCr.(1)を各項に適用すれば(1+n1)n<2+r=2∑nr!1.これは示すべき不等式である。
(3) r≥3では,r!=2⋅3⋅4⋯rの3以降の因子がすべて3以上なのでr!≥2⋅3r−2,r!1≤2⋅3r−21.有限等比数列の和からr=3∑nr!1≤61j=0∑n−3(31)j=41(1−3n−21).これを(2)に代入すると(1+n1)n<2+21+41(1−3n−21)=41(11−3n−21).
別解
別解・背景
方針
解答
Tr=nCr/nrとおく。T0=T1=1,T2=(n−1)/(2n)<1/2であり,TrTr+1=n(r+1)n−r<r+11(1≤r<n).したがってTr<1/r!(2≤r≤n)を順に得る。
さらにT3<1/6で,r≥3ではTr+1/Tr<1/3なのでTr<61(31)r−3(3≤r≤n).よって展開式を直接評価して(1+n1)n<2+21+61j=0∑n−33−j=41(11−3−(n−2)).隣接項の比を使う方法では,階乗の和を経由せず,二項展開の各項を等比数列で評価している。
総評
各段階の厳密不等号と等号を含む評価を区別し、有限等比数列の末項まで計算する。
東北大学 理系数学 後期 過去問10年
2017–2026年度問題編69ページ・解答編131ページ
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出典: 東北大学 2025年度 後期日程 数学(理系)(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。