方針
五つの距離を三角関数で別々に展開すると式が長くなる。
各距離は複素数の差の絶対値なので,先に差の積を作る。
正五角形の頂点を五乗して同じ値にする
頂点を表す複素数はw5=1の五つの解である。
したがって,点Pをzで表すと距離の積は∣z5−1∣になる。
∣z∣=1と合わせて,単位円上のz5の位置を決める。
五乗した後の二点を求めても,元の角度は各々五つずつある。
最後に0≤θ<2πを使って,すべての角度を取り出す。
解答
ζ=cos(2π/5)+isin(2π/5)とおく。
五つの頂点を表す複素数の集合は1,ζ,ζ2,ζ3,ζ4である。
これらは互いに異なり,五乗すると1になるので,因数定理より(z−1)(z−ζ)(z−ζ2)(z−ζ3)(z−ζ4)=z5−1.点Pをz=cosθ+isinθと表すと,問題の距離の積は∣z−1∣∣z−ζ∣∣z−ζ2∣∣z−ζ3∣∣z−ζ4∣=∣z5−1∣.したがって条件は∣z5−1∣=1と同値である。
ド・モアブルの定理より∣z5−1∣2=(cos5θ−1)2+sin25θ=2−2cos5θ.よってcos5θ=1/2であり,
5θ=2jπ±π/3(jは整数)となる。
0≤5θ<10πに入るものを選ぶと,求める角度はθ=15(6j+1)πまたはθ=15(6j+5)π(j=0,1,2,3,4).これらの10個は互いに異なり,逆にどれも元の距離の積を1にする。
別解
別解・背景
方針
解答
w=z5=u+ivとおく。条件は∣w∣=1,∣w−1∣=1となる。
二つの円の式u2+v2=1,(u−1)2+v2=1を引くとu=1/2。よってv=±3/2であり,wの偏角は±π/3となる。
これを五つずつの角度に戻すと答案と同じ10個のθを得る。
距離の積を一つの絶対値にまとめる操作は,正多角形の頂点を根にもつ多項式と相性がよい。
総評
五つの距離を一つの絶対値にまとめ、五乗する前の角度を十個すべて取り出す。
東北大学 理系数学 後期 過去問10年
2017–2026年度問題編69ページ・解答編131ページ
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出典: 東北大学 2025年度 後期日程 数学(理系)(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。