方針
(1) は1組の正整数解を見つければよい。(2)はその解を正整数倍すれば,等式の両辺が同じ倍率の2乗倍になり,無限個の解が得られる。(3)では,まず と の偶奇が一致することを確認する。ついで が奇数の場合と偶数の場合を分けて,いずれも が偶数であることを示す。さらに が偶数なら3つの数を2で割った組も同じ形の方程式を満たすので,その組に同じ偶奇の結論をもう一度適用して が4の倍数であることを導く。
解答
(1) たとえば とすると, である。したがって, は条件を満たす。
(2) (1)の解を正整数 倍して とおく。このとき である。 と変えると互いに異なる正整数解が得られるので,条件を満たす正整数の組は無限に存在する。
(3) まず,等式 を2で割った余りで考える。平方数は2で割ると または であり, は常に偶数である。したがって であり, と の偶奇は一致する。ゆえに は偶数である。 が奇数であるとする。奇数の平方は4で割ると1余るので, である。もとの等式より であり,右辺は4で割り切れる。よって は4で割り切れ, は偶数である。したがって は偶数である。
次に, が偶数であるとする。この場合も であり,右辺は偶数の平方どうしの差だから4で割り切れる。よって は4で割り切れ, は偶数,したがって は偶数である。
以上より, の偶奇にかかわらず,条件を満たす正整数解では は偶数である。
ここで, がともに偶数であると仮定する。上で示したことから も偶数である。そこで とおくと, は正整数であり,もとの等式は すなわち となる。この新しい正整数解 に対して,すでに示した結論を適用すると, は偶数である。したがって は4の倍数である。
総評
難易度は5/10の標準的な整数証明で,10〜15分を目安に完答したい必答級である。(1)の具体例,(2)の正整数倍による無限族,(3)の の偶数性, の偶数性,さらに4の倍数まで進める議論がそれぞれ独立した採点点になる。とくに後半は を2で割った新しい組も同じ方程式を満たすため,すでに示した「第2成分は偶数」を再適用できることが核心である。作った無限族だけを調べて一般の組を証明したつもりになること,「 および が偶数」の否定を誤ること, が偶数までで止めることに注意する。