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東北大学 2026年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第2問

以下の問いに答えよ。

(1) a2+2b2=c2を満たす正の整数の組(a,b,c)を1つ求めよ。
なお,解答は答えのみでよい。

(2) a2+2b2=c2を満たす正の整数の組(a,b,c)は無数に存在することを示せ。

(3) 正の整数の組(a,b,c)a2+2b2=c2を満たすとする。
このとき,a+cおよびbは偶数であることを示せ。
さらに,もしacが偶数ならばbは4の倍数であることを示せ。

難易度5/ 10計算量3/ 10目安15

整数数と式論証・証明 偶奇性、反例構成、一般化、場合分け

方針

(1) は1組の正整数解を見つければよい。(2)はその解を正整数倍すれば,等式の両辺が同じ倍率の2乗倍になり,無限個の解が得られる。(3)では,まず ac の偶奇が一致することを確認する。ついで a,c が奇数の場合と偶数の場合を分けて,いずれも b が偶数であることを示す。さらに a,c が偶数なら3つの数を2で割った組も同じ形の方程式を満たすので,その組に同じ偶奇の結論をもう一度適用して b が4の倍数であることを導く。

解答

(1) たとえば a=1,b=2,c=3 とすると,a2+2b2=12+222=1+8=9=32=c2 である。したがって,(a,b,c)=(1,2,3) は条件を満たす。

(2) (1)の解を正整数 m 倍して (a,b,c)=(m,2m,3m) とおく。このとき a2+2b2=m2+2(2m)2=m2+8m2=9m2=(3m)2=c2 である。m=1,2,3, と変えると互いに異なる正整数解が得られるので,条件を満たす正整数の組は無限に存在する。

(3) まず,等式 a2+2b2=c2 を2で割った余りで考える。平方数は2で割ると 0 または 1 であり,2b2 は常に偶数である。したがって a2c2(mod2) であり,ac の偶奇は一致する。ゆえに a+c は偶数である。 a,c が奇数であるとする。奇数の平方は4で割ると1余るので,a2c21(mod4) である。もとの等式より 2b2=c2a2 であり,右辺は4で割り切れる。よって 2b2 は4で割り切れ,b2 は偶数である。したがって b は偶数である。

次に,a,c が偶数であるとする。この場合も 2b2=c2a2 であり,右辺は偶数の平方どうしの差だから4で割り切れる。よって 2b2 は4で割り切れ,b2 は偶数,したがって b は偶数である。

以上より,a,c の偶奇にかかわらず,条件を満たす正整数解では b は偶数である。

ここで,a,c がともに偶数であると仮定する。上で示したことから b も偶数である。そこで a=2a1,b=2b1,c=2c1 とおくと,a1,b1,c1 は正整数であり,もとの等式は (2a1)2+2(2b1)2=(2c1)2 すなわち a12+2b12=c12 となる。この新しい正整数解 (a1,b1,c1) に対して,すでに示した結論を適用すると,b1 は偶数である。したがって b=2b1 は4の倍数である。

総評

難易度は5/10の標準的な整数証明で,10〜15分を目安に完答したい必答級である。(1)の具体例,(2)の正整数倍による無限族,(3)の a+c の偶数性,b の偶数性,さらに4の倍数まで進める議論がそれぞれ独立した採点点になる。とくに後半は a,c,b を2で割った新しい組も同じ方程式を満たすため,すでに示した「第2成分は偶数」を再適用できることが核心である。作った無限族だけを調べて一般の組を証明したつもりになること,「a+c および b が偶数」の否定を誤ること,b が偶数までで止めることに注意する。

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出典: 東北大学 2026年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。