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東京大学 1985年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第3問

nを2以上の整数とする.
xn+ax+b (abは実数の定数)の形の多項式f(x)10f(x)dx=0,11f(x)dx=0を満たすものを求めよ.
このf(x)に対してF(x)=1xf(t)dtG(x)=1xF(t)dtとおく.
G(x)が極大または極小となる点xと,その点におけるG(x)の値を求めよ.

難易度7/ 10計算量7/ 10目安35

積分関数 場合分け、定積分評価

方針

積分条件から a,b を偶奇別に決め、G=F の零点と符号変化から極値とその値を求める。

解答

まず f(x)=xn+ax+b とおく。

1. n が奇数のとき
このとき xn は奇関数なので 11xndx=0,11xdx=0 である。したがって 11f(x)dx=2b=0 より b=0 である。また10xndx=1n+1,10xdx=12だから 1n+1a2=0 となり a=2n+1 である。よって f(x)=xn2n+1x である。

このときF(x)=1x(tn2n+1t)dt=xn+1x2n+1である。n1 は偶数なので F(x)=x2(xn11)n+1 である。したがって F(x)=0 となるのは x=1,x=0,x=1 である。ただし x=0 では符号は変わらない。実際,x<1 では xn11<0x>1 では xn11>0 である。よって G(x)=F(x) は,x=1 で正から負へ,x=1 で負から正へ変わる。

したがって Gx=1 で極大,x=1 で極小 となる。値は G(1)=0 であり,G(1)=11xn+1x2n+1dx=1n+1(2n+223)=2(1n)3(n+1)(n+2)である。

2. n が偶数のとき
このとき 11xndx=2n+1,11xdx=0 であるから 2n+1+2b=0 より b=1n+1 である。また10xndx=1n+1,10xdx=12だから 1n+1a21n+1=0 より a=0 である。よって f(x)=xn1n+1 である。

このときF(x)=1x(tn1n+1)dt=xn+1xn+1=x(xn1)n+1である。n は偶数なので,F(x)=0 となるのは x=1,x=0,x=1 である。符号を調べると,x<1 で負,1<x<0 で正,0<x<1 で負,x>1 で正である。したがって Gx=1,1 で極小,x=0 で極大 となる。

値は G(1)=0 であり,F は奇関数なので G(1)=11F(x)dx=0 である。またG(0)=10xn+1xn+1dx=1n+1[x22+xn+2n+2]10=n2(n+1)(n+2)である。

以上をまとめると,奇数 n ではf(x)=xn2n+1x,x=1 で極大値 0,x=1 で極小値 2(1n)3(n+1)(n+2)であり,偶数 n ではf(x)=xn1n+1,x=0 で極大値 n2(n+1)(n+2),x=1,1 で極小値 0である。

別解

解法2

方針

積分条件を [1,0][0,1] の両方で0と読み替え、偶奇別に a,b を決める。その後は F=G を因数分解し、数直線上の符号表だけで極値を判定する。

解答

2つの条件から10f(x)dx=0,01f(x)dx=0である。

n が奇数のとき
対称性より b=0 であり、前半区間の条件からa=2n+1.したがってf(x)=xn2n+1x,F(x)=x2(xn11)n+1.F=G の符号は x=1 で正から負、x=1 で負から正へ変わり、x=0 では変わらない。よってx=1 で極大値 0,x=1 で極小値 2(1n)3(n+1)(n+2).n が偶数のとき
2区間の条件を加減するとa=0,b=1n+1.したがってf(x)=xn1n+1,F(x)=x(xn1)n+1.符号表から x=1,1 で負から正、x=0 で正から負へ変わる。よってx=1,1 で極小値 0,x=0 で極大値 n2(n+1)(n+2).

総評

難易度は7,計算量は7程度である。想定時間は28分から40分程度。前半の積分条件では,[1,1] の対称性から偶奇で式が大きく変わる。F(1)=0 は定義から常に成り立つが,極値になるかどうかは F の符号変化で確認する必要がある。奇数の場合の x=0F=0 でも符号が変わらないため極値ではない。この点を落とすと答案の信頼性が下がる。極値の値は G そのものなので,F の値と取り違えないよう,最後に F をもう一度積分する。

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出典: 東京大学 1985年度 第2次学力試験 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。