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東京大学 1987年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第3問

xyz空間内の点P(0,0,1)を中心とする半径1の球面Kがある.

K上の点Q(a,b,c)が条件a>0b>0c>1のもとでK上を動くとき,
QにおいてKに接する平面をLとし,
Lx軸,y軸,z軸と交わる点をそれぞれABCとする.
このような三角形ABCの面積の最小値を求めよ.

難易度8/ 10計算量7/ 10目安24

ベクトル図形と方程式 座標設定、相加相乗平均、面積計算

方針

球面の接平面を、半径 PQ を法線にもつ平面として求める。軸との切片を出したら、三角形 ABC の面積を直接計算する代わりに、四面体 OABC の体積と、原点から接平面までの距離を使う。固定した c では a2+b2=c(2c) のもとで ab を最大にすると面積が最小になる。最後は 1<c<2 の1変数不等式に帰着する。

解答

球面 Kx2+y2+(z1)2=1 である。点 Q(a,b,c) はこの球面上にあるので a2+b2+(c1)2=1 を満たす。また条件より a>0,b>0,c>1 である。 Q における接平面 L は、半径方向のベクトル (a,b,c1) を法線にもつ。したがって a(xa)+b(yb)+(c1)(zc)=0 である。これを整理し、a2+b2+(c1)2=1 を用いると ax+by+(c1)z=c となる。

この平面と各軸との交点はA=(ca,0,0),B=(0,cb,0),C=(0,0,cc1)である。四面体 OABC の体積は16cacbcc1=c36ab(c1)である。一方、原点から平面 L までの距離は、法線ベクトルの長さが1であるため c である。したがって 13[ABC]c=c36ab(c1) より [ABC]=c22ab(c1) を得る。

ここで a2+b2=1(c1)2=c(2c) であり、a,b>0 だから 1<c<2 である。固定した c に対して aba2+b22=c(2c)2 である。等号は a=b のときである。よって[ABC]c22c(2c)2(c1)=c(c1)(2c)である。

あとは G(c)=c(c1)(2c)(1<c<2) の最小値を求めればよい。逆数を考えると 1G(c)=(c1)(2c)c=3c2c である。c>0 に対して c+2c22 であり、等号は c=2 のときである。したがって 1G(c)322 であり、G(c)1322=3+22 である。等号は c=2、かつ a=b のときに成り立つ。よって面積の最小値は 3+22 である。

別解

解法2:接平面の射影面積を使う

方針

接平面の単位法線は (a,b,c1) である。三角形 ABCxy 平面への正射影は三角形 ABO なので、射影面積と法線の z 成分から面積を求める。後半は a2+b2=c(2c) と相加相乗平均で最小化する。

解答

接平面はax+by+(c1)z=cであり、その法線 (a,b,c1) の長さは球の半径と同じ1である。各軸との交点はA=(ca,0,0),B=(0,cb,0),C=(0,0,cc1).三角形 ABCxy 平面へ正射影すると、C は原点 O へ移るので三角形 ABO になる。その面積は[ABO]=12cacb=c22ab.接平面の単位法線と z 軸方向のなす角の余弦は c1>0 である。射影面積の関係から[ABO]=(c1)[ABC],したがって[ABC]=c22ab(c1).球面条件からa2+b2=c(2c),1<c<2.固定した c では2aba2+b2=c(2c)であり、等号は a=b のときである。よって[ABC]c(c1)(2c).さらに(c1)(2c)c=3c2c322で、等号は c=2 のときである。したがって[ABC]1322=3+22.全ての等号条件は両立するので、最小値は 3+22 である。

総評

難度8、計算量7、目安時間24分。接平面の切片を求めた後、四面体の体積または正射影面積を介して三角形の面積を出す。原問題は行列を扱わないため行列式・外積は使わない。ab の最大化と c の一変数評価で全ての等号条件が両立し、最小値 3+22 が実現することまで確認する。

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出典: 東京大学 1987年度 第2次学力試験 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。