Evolton

東京大学 1986年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第3問

(1) xyz空間において,
三点A(0,0,12)
B(0,12,1)
C(1,0,1)を通る平面S0に垂直で,
長さ1のベクトルn0をすべて求めよ.

(2) 二点D(1,0,0)E(0,1,0)を通る直線lを軸として,
平面S0を回転して得られるすべての平面Sを考える.
このような平面Sに垂直で長さ1のベクトルn=(x,y,z)y成分の絶対値ySと共に変化するが,
その最大値および最小値を求めよ.

難易度7/ 10計算量6/ 10目安24

ベクトル図形と方程式 ベクトル成分計算回転・拡大、範囲評価

方針

(1) は二本の平面内ベクトルとの内積を0とおく。(2)は法線ベクトルを回転軸方向の成分と垂直成分に分ける。軸方向成分は一定で、垂直成分の内積は振幅の範囲をすべて動く。

解答

(1) n=(p,q,r) とおく。AB=(0,12,12),AC=(1,0,12).直交条件より q+r=0, 2p+r=0 なのでn=(p,2p,2p).長さが1であることから 9p2=1 となりn0=±(13,23,23).(2) 直線 l の方向の単位ベクトルをu=(12,12,0)とする。n0=(1/3,2/3,2/3)y 方向の単位ベクトルを e=(0,1,0) とおくとn0u=132,eu=12.したがって軸方向成分どうしの内積は常に 1/6 である。

軸に垂直な成分の長さはそれぞれ1118=1718,112=12.回転によって両成分の内積は176垂直成分の寄与176をすべて動く。よって1176y1+176.この区間は0を含むからminy=0,maxy=1+176.

別解

解法2(軸に合わせた直交座標)

方針

回転軸方向 u、水平な直交方向 v、鉛直方向 w を単位ベクトルとして取る。法線の v,w 成分を三角関数で回転させ、y 成分を中心値と正弦波の振幅に分ける。

解答

(1) 二本の内積条件を解けばn0=±(13,23,23)である。

(2) 次の互いに直交する単位ベクトルを取る。u=(12,12,0),v=(12,12,0),w=(0,0,1).u は回転軸方向である。正の方の n0 の成分はn0u=132,n0v=12,n0w=23.回転後も u 成分は一定で、v 成分は12cosθ+23sinθの形で変化する。y 方向の単位ベクトルは(0,1,0)=u+v2だからy=16+12cosθ+232sinθ.後二項の振幅は14+29=176.したがって y の範囲は解法1と同じでありminy=0,maxy=1+176を得る。符号を反対にした法線も絶対値の範囲を変えない。

総評

難易度7、計算量6。目安時間は24分である。(1)は外積や行列式を使わず二本の内積条件で十分である。(2)では平面の回転に伴って法線も同じ軸のまわりを回ること、軸方向成分は不変であることを明記する。振幅には法線側だけでなく y 方向を軸へ射影した長さも掛かる。

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出典: 東京大学 1986年度 第2次学力試験 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。