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東京大学 1987年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第6問

正六角形の頂点に1から6までの番号を順につける.
またn個のサイコロを振り,
出た目を番号とするすべての頂点にしるしをつけるものとする.
このとき,しるしのついた三点を頂点とする直角三角形が存在する確率をpnとする.

(1) p3p4を求めよ.

(2) limn1nlog(1pn)を求めよ.

難易度8/ 10計算量7/ 10目安23

確率場合の数 余事象、数え上げ極限計算

方針

正六角形の円周上の3点が直角三角形を作るのは、その3点の中に対頂点の組が含まれるときである。ただし、印が2点以下では三角形を作れない。(1)では n=3,4 を順序付きの出目として数える。(2)では余事象、つまり直角三角形が存在しない場合を考える。指数的に最も大きく残るのは、3組の対頂点から高々1点ずつ選んだ3点集合の中に全出目が入る場合であり、比率は (3/6)n になる。

解答

正六角形の頂点は同一円周上にある。円周上の3点でできる三角形が直角三角形になるのは、3点のうち2点が対頂点、すなわち直径の両端になっているときである。したがって、印のついた頂点の集合が対頂点の組を含み、かつ印のついた頂点が3点以上あれば、直角三角形が存在する。

(1)
まず n=3 を数える。3回の出目で直角三角形ができるには、3つの出目がすべて異なり、その中に対頂点の組が1組含まれればよい。対頂点の組は3通り、残りの1点はその組以外の4点から選べる。さらに3個の出目の順序があるので、条件を満たす出方は 343!=72 通りである。全体は 63 通りだから p3=7263=13 である。

次に n=4 を数える。全体は 64 通りである。直角三角形が存在しない場合を数える。印のついた頂点が1点だけの場合は 6 通り、2点だけの場合は、2点の選び方が 6C2 通りで、それぞれ4回の出目が両方を少なくとも1回ずつ含むので 6C2(242) 通りである。印が3点以上で直角三角形が存在しないためには、3組の対頂点から高々1点ずつ選ばれていなければならない。3点ちょうどの場合、各対頂点の組から1点ずつ選ぶので集合は 23 通りあり、4回の出目がその3点すべてを含む出方は 34324+3=36 通りである。したがって余事象の数は 6+6C2(242)+2336=6+1514+288=504 である。よって条件を満たす出方は 64504=1296504=792 通りであり、p4=79264=1118 である。

(2) 1pn は、直角三角形が存在しない確率である。直角三角形が存在しないためには、印のついた頂点集合が対頂点の組を含まないか、印のついた頂点が2点以下でなければならない。

出目がすべて、対頂点を同時に含まない3点集合の中に入る場合を考える。3組の対頂点から1点ずつ選ぶと、そのような3点集合は 23=8 通りあり、それぞれについて出目がその3点内にすべて入る確率は (36)n である。したがって 1pn は定数倍を除いて (12)n の大きさで下からも上からも評価できる。

実際、ある固定した、対頂点を含まない3点集合にすべての出目が入る場合は余事象に含まれるので (12)n1pn である。一方、余事象では、印が3点以上なら出目全体は対頂点を含まない8通りの3点集合のいずれかに入り、印が2点以下なら15通りの2点集合のいずれかに入る。和事象の確率で上から評価して1pn8(12)n+15(13)n23(12)nである。よってlog121nlog(1pn)log23n+log12である。n とすると両端が log12 に近づくから limn1nlog(1pn)=log2 である。

別解

解法2:余事象を正確に数えて一般式を得る

方針

直角三角形がないとき、印の種類数は1、2、または各対頂点組から1点ずつ選んだ3である。使われた頂点集合の大きさごとに、全ての頂点が少なくとも一度出る列を包除原理で数え、1pn の閉じた式を得る。

解答

直角三角形が存在しない出目列を、実際に印が付いた頂点数で分類する。

1点だけなら出目列は6通りである。2点ちょうどなら頂点集合は 6C2 通りで、両方が少なくとも一度出る列は 2n2 通りだから15(2n2)通りである。

3点以上で対頂点の組を含まないためには、3組の対頂点から1点ずつ選んだ3点を全て使う必要がある。その集合は 23=8 通りである。固定した3点が全て少なくとも一度出る列は、包除原理により3n32n+3通りである。4点以上を選べば必ず対頂点の組を含む。

したがって余事象の出目列数はNn=6+15(2n2)+8(3n32n+3)=83n92n.よって1pn=8(12)n9(13)n.(1)
これに n=3,4 を代入するとp3=13,p4=1118.(2)
また1nlog(1pn)=log2+1nlog{89(23)n}.右辺第2項は0へ近づくのでlimn1nlog(1pn)=log2.

総評

難度8、計算量7、目安時間23分。円周角の定理により、直角三角形の存在を「対頂点の組を含み、印が3点以上」と言い換える。上下からの指数評価と、使用頂点数別の正確な包除計数の双方で p3=1/3p4=11/18、極限 log2 を確認した。重複を避けるため、正確な計数では「実際に使った頂点数」で分類する。

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出典: 東京大学 1987年度 第2次学力試験 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。