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東京大学 1987年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第5問

nを2以上の自然数とする.
x1x2xnおよびy1y2yn
を満足する数列x1,x2,,xnおよびy1,y2,,ynが与えられている.
y1,y2,,ynを並べかえて得られるどのような数列z1,z2,,znに対してもj=1n(xjyj)2j=1n(xjzj)2が成り立つことを証明せよ.

難易度6/ 10計算量5/ 10目安16

数列論証・証明 不等式評価対称性の利用

方針

並べ替えられた z に、順序が逆になっている2項 i<jzi<zj があるとき、その2項を交換する。xixj を使うと、交換後の二乗和は交換前以下になる。したがって順序の入れ替わりを1つずつ直していけば和は増えず、最後に z は降順、すなわち与えられた y の並びになる。

解答

任意の並べ替え z1,z2,,zn を考える。もしある i<j について zi<zj となっていれば、この2項の順序は xixj とは逆になっている。この2項だけを交換したとき、二乗和の変化を調べる。

交換前の該当部分は (xizi)2+(xjzj)2 であり、交換後は (xizj)2+(xjzi)2 である。差を計算すると{(xizi)2+(xjzj)2}{(xizj)2+(xjzi)2}=2(xixj)(zjzi).ここで xixjzj>zi だから 2(xixj)(zjzi)0 である。したがって、この交換を行うと二乗和は増えない。

この操作を、z の中で順序が逆になっている2項がなくなるまで繰り返す。各交換で二乗和は増えず、最終的には z1z2zn となる。ところが z1,,zny1,,yn の並べ替えであり、もともと y1y2yn だから、最終的な並びは y1,y2,,yn である。

よって任意の並べ替え z に対して j=1n(xjyj)2j=1n(xjzj)2 が成り立つ。

別解

解法2:最大の項を固定して帰納法で示す

方針

二乗和を最小にする並べ方を一つ取る。最大の x1 に最大の y1 が対応していなければ、その二つの対応先を交換して和が増えないことを示す。x1,y1 を固定した後、残る n1 項に同じ議論を適用する。

解答

n に関する帰納法で示す。n=2 のときは(x1y2)2+(x2y1)2{(x1y1)2+(x2y2)2}=2(x1x2)(y1y2)0だから成り立つ。

n1 項まで成り立つと仮定する。任意の並べ替え z1,,zn の中で、y1k 番目にあるとする。z1zk=y1 を交換したとき、交換前から交換後を引くと2(x1xk)(y1z1)0である。したがって、y1x1 に対応させても二乗和は増えない。

残る x2,,xny2,,yn はいずれも降順である。帰納法の仮定により、この残りも同じ順に対応させたとき二乗和が最小になる。よって全体でもj=1n(xjyj)2j=1n(xjzj)2が成り立つ。

総評

難度6、計算量5、目安時間16分。交換法では逆順の2項を直したとき二乗和が増えないことと、有限回で降順に到達することを書く。帰納法では最大項同士を対応させても悪化しないことを示し、残る項へ帰納法を適用する。原問題に行列はなく、二つの証明はいずれも展開と順序だけで完結する。

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出典: 東京大学 1987年度 第2次学力試験 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。