Evolton

東京大学 1990年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第6問

1から6までの目が等確率で出るサイコロをくり返し振り,出た目を順に小数第1位,第2位, として 0 以上 1 未満の小数を作る。

(1) 作った小数が 41/333 以下である確率の極限を求めよ。

(2) 実数 α に対し,作った小数が α 以下である確率の極限が 1/2 となる α の範囲を求めよ。

難易度8/ 10計算量7/ 10目安30

確率数列 状態分類確率漸化式、範囲評価

方針

作られる小数は、各桁が1から6のいずれかに限られる。大小比較は通常の小数と同じく、初めて異なる桁で決まる。(1)は 41/333=0.123 と見て、3桁ずつ比較する。同じ3桁 123 が出た場合だけ同じ問題が繰り返される。(2)は分布が階段状になることを使い、確率がちょうど 12 になるのは、先頭の桁が1,2,3である全場合を含み、先頭が4である全場合を含まない境界の間であると調べる。

解答

(1)
まず 41333=0.123 である。作られる小数をこの数と比べるとき、先頭の3桁を 123 と比較する。

先頭3桁が 123 より小さくなるのは、次の場合である。

第1桁は1でなければならない。第2桁が1なら、その時点で 12 より小さいので成功である。この確率は 1616=136 である。

第1桁、第2桁がそれぞれ1,2で、第3桁が1または2なら成功である。この確率は 161626=1108 である。したがって、先頭3桁で成功が確定する確率は 136+1108=127 である。

一方、先頭3桁がちょうど 123 である確率は 163=1216 であり、この場合だけ、4桁目以降について同じ比較が残る。求める極限の確率を p とすると p=127+1216p である。よって (11216)p=127 となり、p=8215 である。

(2)
作られる小数の第1桁は1から6まで等確率である。第1桁が1,2,3である確率は 36=12 である。したがって、確率が 12 となる境界は、「第1桁が1,2,3のものをすべて含み、第1桁が4のものをまだ含まない」範囲にある。

第1桁が3である小数のうち最大のものは、以後の桁をすべて6にした 0.3666=310+6102+6103+ である。これは310+610011110=310+115=1130である。

また、第1桁が4である小数のうち最小のものは、以後の桁をすべて1にした 0.4111=410+1102+1103+ である。これは410+110011110=410+190=3790である。

よって 1130α3790 なら、第1桁が1,2,3である場合はすべて α 以下であり、第1桁が5,6である場合はすべて α より大きい。第1桁が4で、ちょうど最小の列になるような特定の並びは、有限回までで見る確率が限りなく0になるので、極限の確率には影響しない。したがって極限は 12 である。

逆に、α<1130 なら、第1桁が3であっても α を超える並びが正の確率で残るので、確率は 12 より小さい。α>3790 なら、第1桁が4であっても α 以下になる並びが正の確率で加わるので、確率は 12 より大きい。したがって求める範囲は 1130α3790 である。

総評

難度は10段階中8、計算量は10段階中7。普通の十進小数だが、使える数字が1から6に限られているため、大小比較を桁ごとの場合分けに落とす必要がある。(1)は3桁周期 123 の一致だけが再帰する点、(2)は先頭桁が3の最大値と4の最小値を境界にする点が要点である。試験場では25分程度を見込み、端点を含める理由まで書きたい。

冊子PDFで見る東大の確率の問題で問題集を作る

出典: 東京大学 1990年度 第2次学力試験 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。