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東京大学 1990年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第5問

楕円x2a2+y2b2=1と単位円 x2+y2=1 を考える。楕円上の任意の点 P に対し,P を一つの頂点とし,単位円に外接し,楕円に内接する平行四辺形が存在するための a,b の必要十分条件を求めよ。

難易度7/ 10計算量6/ 10目安25

図形と方程式ベクトル 座標設定内積の利用必要十分条件

方針

楕円も単位円も中心が原点なので、楕円に内接する平行四辺形は中心を原点にもつ形として考えられる。頂点を ±P,±Q とおき、単位円に外接するためには、原点から2種類の辺への距離がともに1になる必要がある。これにより PQ=0 が必要となるので、QP に垂直な方向に置き、楕円上の条件と内接円半径を計算する。

解答

楕円と単位円はいずれも原点を中心として対称である。楕円に内接する平行四辺形は、その対角線の中点が楕円の中心、すなわち原点になる。したがって、4頂点を ±P,±Q とおいてよい。

単位円がこの平行四辺形に外接する、すなわち平行四辺形が単位円に接するには、原点から4辺までの距離がすべて1でなければならない。辺 PQ と辺 P,Q への距離はそれぞれ PxQyPyQxPQ,PxQyPyQxP+Q である。これらが等しいためには PQ=P+Q であり、これは PQ=0 と同値である。

そこで P=(x,y) を楕円上の任意の点とし、QP に垂直な方向に Q=t(y,x) とおく。Q も楕円上にある条件は t2(y2a2+x2b2)=1 である。

このとき平行四辺形の内接円の半径を ρ とすると、直角条件 PQ=0 により ρ2=P2Q2P2+Q2 である。ここで P が楕円上にあるので x2a2+y2b2=1 である。上の Q の条件と合わせて整理すると、x,y によらず ρ2=a2b2a2+b2 となる。

単位円に外接するためには ρ=1 が必要十分である。したがって求める条件は a2b2a2+b2=1 であり、同値に 1a2+1b2=1 である。

この条件が成り立てば、任意の楕円上の点 P に対して上の方法で Q を取ることができ、作った平行四辺形は楕円に内接し、単位円に外接する。逆に、そのような平行四辺形が任意の P で存在するなら、特に上で得た半径が1でなければならないので同じ条件が必要である。

総評

難度は10段階中7、計算量は10段階中6。中心対称な楕円に内接する平行四辺形を ±P,±Q と置けるかが第一関門である。単位円に接する条件は、辺までの距離を比較して PQ=0 を導くと自然に進む。試験場では25分程度で、最後に必要性と十分性の両方を明記したい。

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出典: 東京大学 1990年度 第2次学力試験 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。