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東京大学 1991年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第3問

二辺の長さが 1a の長方形の頂点 A,B,C,D および対角線の共有点 E を中心として,半径 r の円を5つえがく。どの2つの円の内部も共通部分をもたないようにして半径 r を最大にするとき,5つの円が長方形から切りとる面積を S(a) とする。

a の関数S(a)aのグラフの概形をえがけ。

難易度6/ 10計算量5/ 10目安18

図形と方程式関数 図形的解釈、範囲評価、場合分け、グラフの概形

方針

5つの円の内部が重ならない条件は、任意の2中心間距離が 2r 以上であることに等しい。関係する最短距離は、長方形の辺 1,a と、中心 E から各頂点までの距離 1+a2/2 である。よって最大の r はその最小値の半分になる。切り取られる面積は、4頂点でできる四分円4つと、内部の中心円1つの和なので 2πr2。最後に最小値がどれになるかを a の範囲で分け、S(a)/a の増減と接続点を調べて概形を描く。

解答

長方形の辺の長さは 1a である。5つの中心は4頂点と対角線の交点 E であるから、内部が重ならないためには、どの2中心の距離も 2r 以上でなければならない。

中心間距離のうち最小値に関係するものは、隣り合う頂点間の距離 1,a および、E と各頂点の距離 1+a22 である。したがって、最大の半径は r=12min(1,a,1+a22) である。

このとき r1/2ra/2 なので、頂点を中心とする円が長方形内に切り取る部分はそれぞれ四分円である。4つ合わせると半径 r の円1個分になる。また中心 E の円は長方形の内部に入る。よって S(a)=πr2+πr2=2πr2 である。

あとは 1,a,1+a22 の最小値を場合分けする。まず a1+a224a21+a2 すなわち a13 と同値である。また 1+a221a3 と同値である。したがってmin(1,a,1+a22)={a(0<a13),1+a22(13a3),1(3a)である。

よってS(a)a={πa2(0<a13),π8(a+1a)(13a3),π2a(3a)である。

グラフの概形を整理する。区間 0<a1/3 では原点に近づく直線 y=πa2 で増加する。区間 1/3a3 では y=π8(a+1a) であり、a=1 で最小値 π4 をとる。両端 a=13,a=3 での値はいずれも π23 である。a3 では y=π2a となり、a が大きくなるにつれて 0 に近づく。

したがって、グラフは a=1/3a=3 で滑らかにはつながらない折れ目を持ち、中央区間では a=1 を底とする曲線になる。

総評

中心間距離で最大半径を決め、面積を場合分けする幾何問題である。目安時間は18分。最短距離として辺の長さ 1,a だけを見ると、中心 E と頂点の距離 1+a2/2 を落としてしまう。面積は4つの四分円と中心円で 2πr2 になるため、半径が決まれば計算は短い。グラフでは接続点 1/3,3 と中央の最小点 a=1 を必ず書き込む。

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出典: 東京大学 1991年度 第2次学力試験 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。