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東京大学 1991年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第4問

正四角錐 V に対し,その底面上に中心を持ち,そのすべての辺と接する球がある。底面の一辺の長さを a とするとき,次の量を求めよ。

(1) V の高さ

(2) 球と錐 V との共通部分の体積

ただし,正四角錐とは,正方形を底面とし,その各辺を底辺とする4つの合同な二等辺三角形と底面とで囲まれる図形とする。

難易度7/ 10計算量6/ 10目安25

図形と方程式積分 座標設定図形的解釈体積計算、計算整理

方針

対称性により球の中心は底面正方形の中心にあり、底面の4辺に接するので半径は a/2 である。頂点を底面中心の真上に置き、中心から側辺までの距離が a/2 になる条件で高さを求める。体積は、球のうち底面より上の半球から、4つの側面の外側へ出る合同な球冠を除く。側辺が球に接するため球冠どうしはちょうど接するだけで重ならない。球冠体積は断面積を積分して用いる。

解答

(1)
底面正方形の中心を O、正四角錐の頂点を T とする。球の中心は底面上にあり、正四角錐全体の対称性から O に一致する。底面の4辺にも接するので、球の半径を R とすると R=a2 である。

底面を z=0 に置き、O=(0,0,0),T=(0,0,h),A=(a2,a2,0) とする。ここで A は底面の1頂点であり、側辺 TA は球に接する。したがって、点 O から直線 TA までの距離が a/2 である。

直線 TA の方向ベクトルは (a2,a2,h) である。点 O から直線 TA までの距離は、三角形 OTA の面積を用いてOT×OATA=ha/2h2+a2/2である。よって ha/2h2+a2/2=a2 である。両辺を2乗して整理すると h2a22=a24(h2+a22) であり、a>0 より h22=h24+a28 となる。したがって h2=a22 であるから、求める高さは a2 である。

(2)
以後 R=a/2 とおく。(1)より頂点の高さは R2 である。側面の1つ、たとえば x=R 側の底辺を含む側面は x+z2=R と表される。実際、この平面は底辺上の点 (R,y,0) と頂点 (0,0,R2) を通る。

中心 O からこの側面までの距離を d とすると d=R1+1/2=R23 である。球と錐の共通部分は、上半球から、4つの側面の外側へ出る合同な球冠を取り除いた部分である。側辺が球に接しているので、隣り合う球冠は接するだけで内部は重ならない。

半径 R の球を、中心から距離 d の平面で切る。外側に切り落とされる球冠の高さは H=Rd=R(123) である。球冠体積は、切断平面から頂点方向へ距離 u を測ると断面半径の2乗が H2u2+2u(RH) となるので 0Hπ{R2(RH+u)2}du=πH2(3RH)3 である。

したがって求める体積 VV=2πR334πH2(3RH)3 である。ここで s=23 とおくと、H=R(1s) であり H2(3RH)=R3(1s)2(2+s) である。さらに (1s)2(2+s)=23s+s3=23s+23s=273s だからV=2πR334πR33(273s)=πR39(28s18)である。R=a/2s=6/3 を代入してV=πa372(286318)=πa3(14627)108を得る。

総評

空間図形を座標と距離で処理する重めの問題である。目安時間は25分。高さは、球が底辺だけでなく側辺にも接することを、中心から直線までの距離に直せば決まる。(2)では「上半球から4つの球冠を引く」という構造を作れるかが山場である。球冠の重なりを心配しやすいが、側辺が球に接するため隣の切断面による球冠は内部を共有しない。体積公式を使う場合も、断面積の積分で1行添えると答案の説得力が増す。

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出典: 東京大学 1991年度 第2次学力試験 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。