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東京大学 1992年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第6問

ABの二人がじゃんけんをして,グーで勝てば3歩,チョキで勝てば5歩,パーで勝てば6歩進む遊びをしている。
1回のじゃんけんでAの進む歩数からBの進む歩数を引いた値の期待値をEとする。

(1) Bがグー,チョキ,パーを出す確率がすべて等しいとする。
Aがどのような確率で,グー,チョキ,パーを出すとき,Eの値は最大となるか。

(2) Bがグー,チョキ,パーを出す確率の比がa:b:cであるとする。
Aがどのような確率でグー,チョキ,パーを出すならば,任意のabcに対し,E0となるか。

難易度6/ 10計算量5/ 10目安18

確率方程式・不等式 期待値、状態分類不等式評価必要十分条件

方針

まずAが各手を出したとき,Bの各手に対する得失を表にする。(1)ではBが等確率なので,Aがグー・チョキ・パーを固定して出した場合の期待値を比較すればよい。混ぜて出す場合の期待値はその重みつき平均なので,最大の手だけを確率1で出すのが最適である。(2)ではBの比 a:b:c が任意なので,Bがどの手に偏っても期待値が負にならないよう,Bの各手に対応するA側の平均得失をすべて0以上にする。この連立不等式と確率の和が1であることから一意に決める。

解答

(1)
Aが出す手を固定して,Bがグー,チョキ,パーを等確率で出す場合の期待値を比べる。

Aがグーを出すとき,Bがグーなら0,チョキならAが3歩進み,パーならBが6歩進む。したがって期待値は 0+363=1 である。

Aがチョキを出すとき,BがグーならBが3歩進み,チョキなら0,パーならAが5歩進む。したがって期待値は 3+0+53=23 である。

Aがパーを出すとき,BがグーならAが6歩進み,チョキならBが5歩進み,パーなら0である。したがって期待値は 65+03=13 である。

Aが確率を混ぜて出すときの期待値は,これら3つの値の重みつき平均である。最大の値は 2/3 なので,Aはチョキを確率1で出せばよい。すなわち (グー,チョキ,パー)=(0,1,0) である。

(2)
Aがグー,チョキ,パーを出す確率をそれぞれ x,y,z とする。もちろん x0,y0,z0,x+y+z=1 である。

Bがグーを出したとき,A側の得失の平均は 0x3y+6z=3y+6z である。Bがチョキを出したときは 3x+0y5z=3x5z であり,Bがパーを出したときは 6x+5y+0z=6x+5y である。

Bの確率の比 a:b:c が任意であるから,常に E0 となるためには,Bの各手に対する上の3つの平均がすべて0以上であることが必要であり,また十分である。よって 3y+6z0,3x5z0,6x+5y0 である。これは y2z,5z3x,6x5y と同値である。

これらをつなげると y2z65xy である。したがってすべて等号でなければならない。よって y=65x,z=35x である。さらに x+y+z=1 だから x+65x+35x=1 となり,145x=1 である。したがって x=514,y=37,z=314 を得る。

以上より,求める確率は(グー,チョキ,パー)=(514,37,314)である。

総評

じゃんけんを得失表として整理し,期待値の最大化と非負条件を調べる問題である。目安時間は18分。(1)ではBが等確率なので,Aの3つの固定した手を比較すればよい。(2)では相手の比が任意であることから,Bの各手に対するA側の平均得失がすべて0以上でなければならない。連立不等式は y2z6x/5y という等号連鎖に整理され,一意に確率が決まる。

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出典: 東京大学 1992年度 第2次学力試験 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。