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東京大学 1993年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第3問

放物線の一部y=x20x2,をy軸のまわりに回転してできる回転体型の容器に水を満たし,
このなかに,半径rの鉛の球を,それが容器につかえて止るまでゆっくり沈めた.
ただし,鉛直線をy軸とする.このとき,次の問いに答えよ.

(1) もとの水面に高さから球の中心の高さを引いた差srの関数として表せ.

(2) あふれ出る水の体積を最大にするrの値を求めよ.

難易度9/ 10計算量9/ 10目安40

図形と方程式微分積分 接線・法線体積計算微分による最大最小、場合分け

方針

球の中心を y 軸上の高さ h に置き、底、放物面、上端の縁のどこで最初に止まるかを半径で分ける。(2)は水面下に入る球の体積を、全球または球冠として表し、各範囲で増減を調べる。

解答

(1) 球の中心の高さを h とする。0<r1/2 では球は底に接して止まり h=r である。

側面に接する場合、接点の動径を x>0 とする。球の下側はy=hr2x2であり、放物線 y=x2 と接するから2x=xr2x2.従って r2x2=1/2、すなわちx2=r214,h=x2+12=r2+14.接点が容器の側面 x2 にある条件は r17/2 である。これより大きい球は上端の円 x=2,y=4 に接して止まりh=4+r24.もとの水面は高さ4だから、求める差はs(r)={4r,0<r1/2,154r2,1/2r17/2,r24,r17/2.(2) あふれる体積は球のうち平面 y=4 より下に入る部分の体積である。r3/2 では球全体が水面下にありV=4πr33で、これは増加する。3/2<r17/2 では、水面下の球冠の高さはH=r+s=r+154r2である。球冠の体積はV=π3H2(3rH).微分すると、その符号は H(2r1) の符号に一致する。従って最大となるのはr2+r+154=2r1を満たすとき、すなわちr=512.r17/2 では H=rr24 となり、直接微分すると V は減少する。境界値も上の極大値より小さい。よって求める半径はr=512.

別解

解法2

方針

(1) は球の中心高 h を、底・放物面・上端のどこに接するかで求める。
(2)では水面下の球部分の高さ H=r+4h を主変数にし、球冠公式を
使う。上端接触後は 2rHH2=4 へ置き換えると単調性を短く示せる。

解答

(1)

球の中心を (0,h) とする。0<r1/2 では底に接して
h=r である。放物線に接する場合、接点の横座標を x>0 とすると
球の下側はy=hr2x2.y=x2 と接するので傾きが等しく2x=xr2x2.よってx2=r214,h=r2+14.接点が x2 にある条件は r17/2 である。
それより大きいときは上端 (2,4) に接しh=4+r24.したがって s=4hs(r)={4r,0<r12,154r2,12r172,r24,r172.境界では隣り合う式の値が一致する。

(2)

水面下に入る球部分の高さをH=r+s=r+4hとする。r3/2 では H=2r で球全体が水面下にあり、V=4πr33は増加する。3/2<r17/2 ではH=r2+r+154,V=π3H2(3rH).微分して整理するとV=2πrH{H(2r1)}.この範囲で rH>0 なので、増減が切り替わるのはr2+r+154=2r1のときである。正の解はr=512.r17/2 ではH=rr24.2rHH2=4 からr=H2+42H,V=π6H(H2+12).r が増えると H は減り、右辺は H>0 で増加関数だから
V は減少する。以上より全範囲での最大はr=512のときに得られる。

総評

難度9、計算量9、目安30〜35分。球が底・放物面・上端へ接する3範囲と、球全体・球冠の切替えをすべて管理する必要がある。2解法で接触半径 1/2,17/2、全球の切替え 3/2、球冠体積の増減を照合した。最大半径 r=51/2 は中央範囲内にあり、上端接触後は単調減少する。

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出典: 東京大学 1993年度 後期日程 第2次学力試験 理系(後期) 後期 第3問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。