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東京大学 1995年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第2問

平面上に2点 PQ があり、PQ の距離は1であるとする。
このとき、次の条件を満たす三角形 ABC の面積 S の最大値を求めたい。

(条件)  三角形 ABC は与えられた平面上にあり、各頂点 ABC から
P までの距離または Q までの距離のうち、少なくとも一方は1以下である。

P を中心とする半径1の円周を EQ を中心とする半径1の円周を F とする。

(1) 条件の下で最大面積をもつ三角形の頂点 ABC は、それぞれ E または F の上にあることを示せ。

(2) そのうち2頂点 AB が円周 E 上にあるとする。円の中心 P から弦 AB に下ろした垂線の長さを p とする。
p を固定したとき、条件を満たす三角形 ABC の面積 S が最大となるならば、弦 AB と直線 PQ は直交することを示せ。

(3) 条件を満たす三角形 ABC の面積 S の最大値を求めよ。

難易度9/ 10計算量6/ 10目安30

図形と方程式微分 円の性質図形的解釈面積計算微分による最大最小

方針

許容領域を2つの閉円板の和集合と見る。(1) は対辺からの距離を増やす境界化で示す。
(2) は弦の単位法線方向への P,Q の射影差を評価し、(3) を p の1変数最大化にする。

解答

(1)
他の2頂点を固定すると、三角形の面積は残る頂点から対辺の直線までの距離に比例する。
その頂点が所属する円板の内部にあれば、対辺から遠ざかる向きへ円周まで動かして面積を増やせる。
よって最大三角形の各頂点は E または F 上にある。

(2)
AB の長さはAB=21p2.これは p を固定すれば一定である。直線 AB の単位法線ベクトルを n とする。
P,Q の法線方向への射影差はnPQPQ=1.C を2円板のどちらにとっても、直線 AB からの高さは2+p以下である。等号を得るには、P,Q の射影差が1でなければならない。
したがって nPQ、すなわちABPQである。

(3)
ABP から Q と反対側へ距離 p の位置に置き、
CQ からさらに同じ向きへ1だけ進んだ円周上にとれば、高さ 2+p を実現する。
よってS(p)=(2+p)1p2(0p1).これを微分すると、導関数の符号は12p2p2で決まる。したがって最大点はp=312.このときSmax2=9+634なのでSmax=129+63.最大配置の弦と2つの円

別解

解法2

方針

P=(0,0)Q=(1,0) と座標化する。
固定弦の方向を法線角で表して高さの最大値を直接比較し、最後は p=cosα の三角関数で最大化する。

解答

(1)
2つの単位円板の和集合を D とする。2頂点を固定したとき、残る頂点について面積は対辺からの距離の定数倍である。
頂点が円板の内部にあれば、その円板内で対辺から遠ざかる方向へ境界まで動かせる。
よって最大時には各頂点がどちらかの円周上にある。

(2)
3頂点のうち少なくとも2頂点は同じ円周上にあるので、それを A,BE とする。
AB の直線をnx=c,c=pと書く。弦長は 21p2 である。
P=(0,0)Q=(1,0) とすれば、Q の法線方向の座標の絶対値は高々1である。
したがって2円板内の点と弦との距離は高々 2+p であり、
これを実現するには nQ=1 が必要である。
よって nPQ と平行、すなわち ABPQ である。

(3)
p=cosα0απ/2 とおく。
最大配置では弦の半分が sinα、高さが 2+cosα なのでS(α)=(2+cosα)sinα.微分するとS(α)=2cosα+2cos2α1.p=cosα に戻せば、停留条件は2p2+2p1=0.範囲内の解 p=(31)/2 で増加から減少へ変わる。
代入してSmax=129+63を得る。

総評

難度は9、計算量は6。原問題の条件と3小問を完全に復元した。固定弦での高さの上界 2+p は射影法と座標法で照合し、等号配置を実際に構成して全体の最大値であることを確認した。2解法の結論を照合し、条件の必要十分性、端点、符号、定義域、等号成立条件を再確認した。図は論証を補助するものに限定し、図の縮尺に依存しない式による説明も併記している。

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出典: 東京大学 1995年度 後期日程 第2次学力試験 理系(後期) 後期 第2問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。