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東京大学 1994年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第3問

0<a1に対し,行列A=(1111+2a)を考える。u=(cosθsinθ)のとき,ベクトルAuの長さAuについて,次の不等式が成り立つことを示せ。(22)aAu2+2ただし0θ2πとする。

難易度6/ 10計算量4/ 10目安20

行列ベクトル三角関数 ベクトル成分計算不等式評価、範囲評価

方針

A(1+a)I+Bに分けると,Buの長さがθによらず1+a2になる。この一定長を利用し,三角不等式と逆向きの三角不等式でAuを上下から挟む。
上側はa1からすぐ2+2へ落とす。下側は1+a1+a2(22)aと比較し,両辺が正であることを確認してから平方して示す。別解として,Au2を直接展開し,三角関数の最大最小で同じ評価を得ることもできる。

解答

I=(1001),B=(a11a)とおくと A=(1+a)I+B である。u=(cosθ,sinθ)と書くとBu=(acosθ+sinθcosθ+asinθ)であるからBu2=(acosθ+sinθ)2+(cosθ+asinθ)2=1+a2である。またu=1である。

まず三角不等式よりAu=(1+a)u+Bu(1+a)u+Bu=1+a+1+a2である。0<a1より1+a21+a22なので Au2+2 を得る。

次に逆向きの三角不等式より Au(1+a)uBu=1+a1+a2 である。あとは 1+a1+a2(22)a を示せばよい。これは 1+(21)a1+a2 と同値であり,両辺は正である。平方して比べると {1+(21)a}2(1+a2)=2(21)a(1a)0 となるから,確かに成り立つ。

以上より (22)aAu2+2 である。

別解

解法2

方針

Au2 を三角関数で直接展開する。振幅の評価から正確な上下端を得て、それを問題の一様な評価へ落とす。

解答

成分を直接計算するとAu=(cosθ+sinθcosθ+(1+2a)sinθ).平方して倍角公式で整理すればAu2=(1+a)2+(1+a2)+2(1+a)(acos2θ+sin2θ).ここで1+a2acos2θ+sin2θ1+a2であるから{1+a1+a2}2Au2{1+a+1+a2}2.各辺は非負なので平方根を取ってよい。上側は 0<a1 より1+a+1+a22+2.下側については1+a1+a2(22)aを示せばよい。両辺を移項した1+(21)a1+a2は両辺が正であり、平方後の差は2(21)a(1a)0となる。よって(22)aAu2+2が従う。なお、振幅評価の等号を与える θ は存在するので、途中で得た
1+a±1+a2 は固定した a に対する正確な最大・最小である。

総評

難度は6、計算量は4。固定した a の正確な特異値評価と、0<a1 上の一様評価を区別した。 2解法の結論を照合し、定義域、端点、必要十分性、等号条件を再確認した。 図は論証を補助するものに限定し、図の縮尺に依存しない式による説明も併記している。

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出典: 東京大学 1994年度 前期日程 第2次学力試験 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。