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東京大学 1994年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第4問

0<c<1とする。3次関数f(x)=4x3+3x2に対し,f1(x)=f(x)+0cf(t)dt,f2(x)=f(x)+0cf1(t)dtとおく。以下,関数f3(x)f4(x)を順次fn(x)=f(x)+0cfn1(t)dt(n=3,4,)により定める。

(1) 関数fn(x)を求めよ。

(2) fn(x)について,0<x<1のとき,fn(x)=0を満たすxがただひとつ存在することを示せ。

難易度6/ 10計算量5/ 10目安20

数列積分関数 漸化式の変形定積分評価グラフの概形、存在証明

方針

定義から各fn(x)は元の3次関数f(x)に定数を加えた形になる。そこでfn(x)=f(x)+Cnとおき,Cnだけの漸化式を作る。
(1)では0cf(t)dt=c3(1c)を計算し,等比数列の和でCn=c3(1cn)を得る。(2)ではfn(0)>0fn(1)<0から存在を示し,4x3+3x23/4<x<1で単調減少することを使って一意性を示す。

解答

(1)

まず0cf(t)dt=0c(4t3+3t2)dt=[t4+t3]0c=c3c4=c3(1c)である。

定義式では,xを含む部分は常にf(x)だけであり,積分で加わる部分は定数である。そこで fn(x)=f(x)+Cn とおく。n=1では C1=c3(1c) である。またn2ではCn=0cfn1(t)dt=0c{f(t)+Cn1}dt=c3(1c)+cCn1である。

したがって Cn=c3(1c)(1+c++cn1) となる。0<c<1より 1+c++cn1=1cn1c であるから Cn=c3(1cn) を得る。よって fn(x)=4x3+3x2+c3(1cn) である。

(2) 0<c<1より0<c3<1,また0<1cn<1であるから 0<c3(1cn)<1 である。したがって fn(0)=c3(1cn)>0 であり,また fn(1)=4+3+c3(1cn)=1+c3(1cn)<0 である。連続性より,0<x<1に少なくとも1つ解が存在する。

一意性を示す。 h(x)=4x3+3x2=x2(34x) とおく。0<x3/4ではh(x)0なので fn(x)=h(x)+c3(1cn)>0 である。したがって解は3/4<x<1にしか現れない。

一方,h(x)=12x2+6x=6x(12x) であるから,3/4<x<1ではh(x)<0である。よってfn(x)=h(x)+c3(1cn)もこの区間で単調に減少する。さらに fn(34)=c3(1cn)>0,fn(1)<0 であるから,3/4<x<1に解はただ一つ存在する。

以上より,0<x<1fn(x)=0を満たすxはただ一つである。

別解

解法2

方針

積分で加わる定数を漸化式の不動点との差に置き換えて解く。零点は3次関数と水平線の交点として、符号と単調性から一意性を読む。

解答

(1) I=0c(4t3+3t2)dt=c3(1c)とおく。fn(x)f(x)x によらないから、これを Cn と書けばC1=I,Cn=I+cCn1.この漸化式の不動点は C=I/(1c)=c3 である。したがってCnc3=c(Cn1c3).C1c3=c4 を用いるとCnc3=cn+3,ゆえにfn(x)=4x3+3x2+c3(1cn).(2)
K=c3(1cn) とおけば 0<K<1 であり、方程式はx2(4x3)=Kと書ける。0<x3/4 では左辺が 0 以下なので解はない。
3/4<x<1 ではddx{x2(4x3)}=6x(2x1)>0であり、左辺は x=3/40x=11 となる。よって
0<K<1 に対し、この区間に交点がただ1つ存在する。したがって
0<x<1 における fn(x)=0 の解もただ1つである。

総評

難度は6、計算量は5。有限段の定数漸化式と零点の存在・一意性を別々に検証した。 2解法の結論を照合し、定義域、端点、必要十分性、等号条件を再確認した。 図は論証を補助するものに限定し、図の縮尺に依存しない式による説明も併記している。

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出典: 東京大学 1994年度 前期日程 第2次学力試験 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。