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東京大学 1996年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第6問

αβを正の数とし,xy平面において,楕円C:x2α+(yβ)2β=1と領域D={(x,y)x2+y21}を考える。

(1) CDに含まれるような点(α,β)の範囲を求め,αβ平面上に図示せよ。

(2)(α,β)が(1)で求めた範囲を動くとき,楕円Cの面積の最大値を求めよ。

難易度7/ 10計算量7/ 10目安25

図形と方程式微分関数 パラメータ処理、範囲評価、微分による最大最小、計算整理

方針

楕円上の点を x=αcosθy=β(1+sinθ) と表し,単位円板に含まれる条件を x2+y21 に直す。u=sinθ とおけば,調べるべき量は 1u1 上の二次式 g(u)=α(1u2)+β(1+u)2 の最大値になる。最大が端点 u=1 に出る場合と,内部の頂点に出る場合を αβ の大小で分け,最後に得られた領域上で面積 παβ を最大化する。

解答

(1)

楕円 C 上の点はx=αcosθ,y=β+βsinθ=β(1+sinθ)と表せる。u=sinθ とおくと 1u1 であり,x2+y2=α(1u2)+β(1+u)2 である。したがって CD に含まれる条件は α(1u2)+β(1+u)21 がすべての 1u1 で成り立つことである。

ここで g(u)=α(1u2)+β(1+u)2 とおく。展開すると g(u)=α+β+2βu+(βα)u2 である。

まず α2β の場合を考える。αβ なら g(u) は下に凸または一次式であり,最大は端点で生じる。β<α2β なら g(u) の二次の係数は負で,頂点の u 座標 βαβ1 以上なので,[1,1] では u=1 で最大となる。いずれにしても最大値は g(1)=4β である。よってこの場合の条件は 4β1 すなわち β14 である。

次に α>2β の場合を考える。このとき g(u) の二次の係数は負で,頂点 u=βαβ0<u<1 を満たす。したがって最大値はg(βαβ)=α+β+β2αβである。よって条件は α+β+β2αβ1 である。αβ>0 だから,両辺に αβ を掛けて整理すると α2αβ すなわち βα(1α) となる。

これらを α,β 平面で整理する。0<α1/2 では,βα/2 の部分は最初の場合に含まれ,β<α/2 の部分では α(1α)α2 なので二番目の場合の条件も自動的に満たされる。したがって 0<α12,0<β14 が得られる。

一方,α>1/2 では,許されるのは 0<βα(1α) の部分であり,右辺が正であるために α<1 が必要である。

したがって求める範囲は 0<α12,0<β14 または 12α<1,0<βα(1α) である。図示すると,0<α1/2 では高さ 1/4 までの長方形部分,1/2α<1 では放物線 β=α(1α) の下側部分である。

(2)

楕円 C の半径方向の長さは x 方向が αy 方向が β なので,面積は παβ である。したがって αβ の最大値を求めればよい。

まず 0<α12,0<β14 の部分では αβ1214=18 である。

次に 12α<1,0<βα(1α) の部分では αβα2(1α) である。ここで h(α)=α2(1α) とおくと h(α)=2α(1α)α2=α(23α) である。1/2α<1 で最大となるのは α=23 のときであり,h(23)=4913=427 である。これは 427>18 を満たす。

したがって αβ の最大値は 4/27 であり,楕円の面積の最大値は π427=2π33 である。

別解

解法2

方針

許容領域の上側境界では,楕円と単位円が接する。接点が楕円の最上点である場合と,x0の内部接点である場合を分ける。後者では2曲線の法線が平行になる条件から接点を消去し,境界β=α(1α)を得る。

解答

(1)

楕円の最上点は(0,2β)であるから,CDなら必ず4β1.(1)許容領域の上側境界では,楕円Cと単位円x2+y2=1が接する。

接点が最上点なら(1)で等号が成り立ち,β=14.この境界が許されるのは0<α1/2の範囲である。実際,この範囲でβ1/4なら,楕円上の点をx=αcosθ,y=β(1+sinθ)と表し,u=sinθとおくことによりx2+y2=α(1u2)+β(1+u)212(1u2)+14(1+u)2=114(1u)21となる。

次にx0の接点を考える。楕円と円の法線が平行だから,あるλについて(xα,yββ)=λ(x,y)である。x0よりλ=1/αであり,y=αβαβ.これを楕円と円の両方の式へ代入して消去するとα2αβ=1,すなわちβ=α(1α).この接点が最上点以外にある条件はα>1/2である。よって許容範囲は{0<α12,0<β14,12α<1,0<βα(1α).(2)

楕円の面積はπαβである。前半の長方形領域ではαβ18.後半ではαβα2(1α).ddα{α2(1α)}=α(23α)より,最大はα=23,β=29で達し,αβ=427>18.したがって面積の最大値はπ427=2π33.

総評

楕円が単位円板に入る条件を,三角関数で1変数二次式の最大値に落とす問題である。難易度は7,計算量は7程度で,想定時間は25分前後。重要なのは,α2βα>2β で最大点が端点か内部かに分かれること,その後に条件を αβ 平面の領域として整理し直すことである。(2)では面積そのものではなく αβ を最大化すればよいが,前半の長方形部分の最大 1/8 と,放物線下側の最大 4/27 を比較するところまで書く必要がある。 2解法の結論を相互照合し,定義域,端点,場合分け,図示範囲を確認した。

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出典: 東京大学 1996年度 前期日程 第2次学力試験 理系 前期 第6問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。