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東京大学 1997年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第4問

0t1を満たす実数tに対して,xy平面上の点ABA(2(t2+t+1)3(t+1),2),B(23t,2t)と定める.
t0t1を動くとき,直線ABの通りうる範囲を図示せよ.

難易度6/ 10計算量5/ 10目安18

図形と方程式関数微分 パラメータ処理、グラフの概形、範囲評価、計算整理

方針

まず2点A,Bを通る直線の方程式をtで表す。求める通過領域は、xを固定したときにy=3(t21)x2t30t1で取りうる値の集合として調べる。微分すると符号はt(xt)で決まるので、x<0, 0x1, x>1の3つに分けて上下の境界を決める。

解答

2点A,Bの座標を用いて直線ABの方程式を求める。Bを通る直線として y+2t=m(x23t) とおく。これが点Aを通るので 2+2t=m(2(t2+t+1)3(t+1)23t) である。括弧内を整理すると 23(t2+t+1t+1t)=23(t+1) であるから m=3(t1)(t+1)=3(t21) を得る。したがって直線ABy=3(t21)x2t3 で表される。

固定したxに対して ϕ(t)=3(t21)x2t3(0t1) とおく。微分すると ϕ(t)=6t(xt) である。 x<0のとき、0<t1xt<0だからϕ(t)は単調減少である。端点の値は ϕ(0)=3x,ϕ(1)=2 なので 2y3x である。 0x1のとき、ϕ(t)0<t<xで正、x<t<1で負である。したがって最大値はt=xϕ(x)=3(x21)x2x3=x33x である。最小値は端点の小さい方なので min(3x,2)yx33x である。 x>1のとき、0<t<1xt>0だからϕ(t)は単調増加である。よって 3xy2 である。

以上より、直線ABの通りうる範囲は{2y3x(x<0),min(3x,2)yx33x(0x1),3xy2(x>1)で表される領域である。図示すると、左右では直線y=3xy=2にはさまれ、中央0x1では上側境界が曲線y=x33xになる。

別解

解法2(直線族の包絡線)

方針

直線族 y=3(t21)x2t3 の端点 t=0,1 の直線と、内部で現れる包絡線を求める。固定した x に対する最小値と最大値を比較すれば、通過領域の上下の境界が得られる。

解答

直線族をF(x,y,t)=y3(t21)x+2t3=0とおく。

内部 0<t<1 で直線族が作る包絡線はF=0,Ft=6t(tx)=0から求まる。t>0 では t=x であり、これを F=0 に戻すとy=x33xを得る。この枝が現れるのは 0x1 の範囲である。

一方、パラメータの端点からt=0: y=3x,t=1: y=2という2本の境界が出る。

どの境界が最も上にあるかを比較する。(x33x)(3x)=x3だから、0x1 では包絡線が y=3x 以上にある。また(x33x)(2)=(x1)2(x+2)0なので、この区間では包絡線が y=2 以上にある。

x を固定したとき、連続関数ϕx(t)=3(t21)x2t3が取る値は、その最小値から最大値までのすべてである。端点の値は 3x,2 であり、内部の停留値は 0x1 のときだけ x33x として現れる。

従って求める領域は{2y3x(x<0),min(3x,2)yx33x(0x1),3xy2(x>1)である。包絡線 y=x33x が中央区間の上側境界を作り、2本の端点直線がその他の境界を作る。

総評

難度6、計算量5。目安時間は18分。動く直線の通過領域を、xを固定したときのyの値域として調べる問題である。直線の式を正確に出すことが最初の山で、その後はtの3次関数の増減表に帰着する。図示では、中央区間の下側境界がy=3xy=2の小さい方で切り替わること、上側境界がy=x33xになることを明確にする。 2解法の数式と最終結論を相互照合し、原典本文との対応、小問の完答、境界条件、図の読み取りを再確認した。

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出典: 東京大学 1997年度 第2次学力試験 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。