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東京大学 1997年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第3問

rを正の数とする.
xyz空間に原点O(0,0,0)と3点A(1,0,0)B(0,1,0)C(0,0,1)をとる.
xyz空間の点PPA=PB=rPO,PC=POを満たすものが2つ存在するためのrの条件を求めよ.
さらに,この2点の座標をrを用いて表せ.

難易度6/ 10計算量5/ 10目安18

図形と方程式ベクトル方程式・不等式 座標設定文字消去判別式、範囲評価

方針

P=(x,y,z)とおき、等距離条件を2乗して座標で処理する。PA=PBからx=yPC=POからz=12が直ちに出るので、残りはs=x=yについての2次方程式になる。2点存在する条件は、この2次方程式が相異なる2実根をもつことと、r=1で2次式が退化することを別に確認して決める。

解答

P=(x,y,z)とする。まずPA=PBより (x1)2+y2+z2=x2+(y1)2+z2 である。整理すると x=y を得る。

またPC=POより x2+y2+(z1)2=x2+y2+z2 であるから z=12 である。そこで P=(s,s,12) とおく。

残った条件PA=rPOを2乗して用いる。左辺は PA2=(s1)2+s2+14=2s22s+54 であり、右辺は r2PO2=r2(2s2+14) である。したがって 2s22s+54=r2(2s2+14) すなわち 2(1r2)s22s+5r24=0 である。

この方程式がsについて相異なる2つの実数解をもてば、条件を満たす点Pが2つ存在する。ただしr=1のときは2次の係数が0になり、方程式は1次式になるので2点は得られない。 r1として判別式を計算すると (2)242(1r2)5r24=2r4+12r26 である。相異なる2実根をもつ条件は 2r4+12r26>0 であり、これは r46r2+3<0 と同値である。R=r2とおくと R26R+3<0 であるから 36<r2<3+6 を得る。さらにr=1は除く。

よって条件は 36<r2<3+6,r1 である。このとき、2つのss=2±2r4+12r264(1r2) である。したがって2点の座標は(2+2r4+12r264(1r2),2+2r4+12r264(1r2),12)および(22r4+12r264(1r2),22r4+12r264(1r2),12)である。

別解

解法2(Apollonius球と直線の交点)

方針

距離条件 PA=rPO を球として読み替え、残る PA=PB, PC=PO を2平面の交線として処理する。球の中心から直線までの距離と半径を比較すれば、交点が2個になる条件を判別式なしで求められる。

解答

座標をO=(0,0,0),A=(1,0,0),B=(0,1,0),C=(0,0,1)とし、P=(x,y,z) とする。PA=PBから x=y、またPC=POから z=12 を得る。従って P は直線L:P=(s,s,12)上にある。

r1 とする。条件 PA=rPO を2乗して整理すると(1r2)(x2+y2+z2)2x+1=0.これは中心Q=(11r2,0,0)半径R=r1r2の球である。

Q から直線 L に下ろした垂線の足を H とする。L 上の点までの距離の2乗(s11r2)2+s2+14s について平方完成するとH=(12(1r2),12(1r2),12),QH2=12(1r2)2+14.球と直線が異なる2点で交わる条件は R2>QH2 である。従ってr2(1r2)2>12(1r2)2+14.両辺を整理するとr46r2+3<0.r>0 だから36<r<3+6.ただし r=1 のとき PA=PO は平面 x=12 となり、直線 L との交点は1個だけなので除く。

よって求める範囲は36<r<1または1<r<3+6.各交点の座標は、P=(s,s,1/2)PA=rPO に代入して得る2次方程式を解けばs=2±2r4+12r264(1r2)となる。

総評

難度6、計算量5。目安時間は18分。3つの距離条件をそのまま連立するのではなく、差を取ってx=y, z=12を先に引き出すと、1変数2次方程式に落ちる。判別式だけでなく、r=1で2次方程式が退化する点を別に扱うのが重要である。最後の座標表示では、sの2解をそのまま(s,s,12)へ戻す。 2解法の数式と最終結論を相互照合し、原典本文との対応、小問の完答、境界条件、図の読み取りを再確認した。

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出典: 東京大学 1997年度 第2次学力試験 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。