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東京大学 1997年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第2問

abを正の数とし,xy平面の2点A(a,0)およびB(0,b)を頂点とする正三角形をABCとする.
ただし,Cは第1象限の点とする.

(1) 三角形ABCが正方形D={(x,y)0x1,0y1}に含まれるような(a,b)の範囲を求めよ.

(2) (a,b)が(1)の範囲を動くとき,三角形ABCの面積Sが最大となるような(a,b)を求めよ.
また,そのときのSの値を求めよ.

難易度6/ 10計算量5/ 10目安18

図形と方程式三角関数関数 座標設定、範囲評価、微分による最大最小、計算整理

方針

第3頂点Cを、ABの中点からABに垂直な向きへ正三角形の高さだけ進んだ点として座標表示する。正方形に含まれる条件は、頂点A,B,Cの座標がすべて[0,1]に入ることに等しい。面積は一辺の長さの2乗a2+b2に比例するので、得られた多角形領域の頂点上でa2+b2を比較する。

解答

(1) A(a,0), B(0,b)であり、Cは第1象限にある。線分ABの中点は (a2,b2) である。またAB=(a,b)に垂直で第1象限側を向くベクトルとして(b,a)をとれば、正三角形の第3頂点は C=(a2,b2)+32(b,a) である。したがって C(a+3b2,b+3a2) となる。

三角形ABCが正方形Dに含まれるには、3頂点がすべてDに含まれればよい。a,bは正なので、A,Bについて 0<a1,0<b1 が必要である。さらにCについて a+3b21,b+3a21 である。よって求める範囲は0<a1,0<b1,a+3b2,3a+b2である。

(2)
正三角形の一辺の長さは AB=a2+b2 であるから、面積は S=34(a2+b2) である。したがってa2+b2を最大にすればよい。

(1) の範囲は直線で囲まれる多角形である。a2+b2は原点からの距離の2乗なので、最大値は境界上、特に候補となる頂点で調べればよい。関係する頂点は(1,0),(1,23),(31,31),(23,1),(0,1)である。

それぞれのa2+b2を比べると、(1,0),(0,1)ではa2+b2=1 である。一方、(1,23),(31,31),(23,1) では、いずれも a2+b2=843 である。ここで 843>1 なので、最大値はこの3点で達する。

したがって面積の最大値は S=34(843)=233 であり、最大となる(a,b)(a,b)=(1,23),(31,31),(23,1) である。

別解

解法2(上端関数を3区間に分ける)

方針

(1) で頂点と辺の長さを条件式に直す。(2)では a を固定したときに許される b の最大値を求め、折れ線状の上端を3区間に分ける。各区間で a2+b2 が端点最大になることを確かめれば、候補は3点だけに絞れる。

解答

(1)
AB の中点は (a/2,b/2) である。第3頂点 C はここから (b,a) の方向に辺長の 3/2 倍だけ進んだ点だからC=(a+3b2,b+3a2).三角形が正方形に含まれることは、3頂点が正方形に含まれることと同値である。従って0<a1,0<b1,a+3b2,3a+b2が必要十分条件である。

(2)
a を固定すると、許される最大の bbmax(a)={1(0<a23),2a3(23a31),23a(31a1).a2+b2b>0b とともに増えるので、各 a では b=bmax(a) だけを調べればよい。

第1区間では a2+1 は右端で最大である。第2区間ではa2+(2a)23は下に凸な2次式だから、閉区間での最大値は端点のどちらかでとる。第3区間のa2+(23a)2も同様に端点最大である。

従って最大点の候補は(a,b)=(23,1),(31,31),(1,23)の3点である。各点でa2+b2=1+(23)2=843となる。正三角形の一辺は AB=a2+b2 だからS=34(a2+b2).従って3点すべてで最大となり、その値はS=233を得る。

総評

難度6、計算量5。目安時間は18分。第3頂点の座標を正確に作ることが第一の山で、その後は正方形内に入る条件が線形不等式に変わる。最大化では、面積をa2+b2の最大化として見て、領域の頂点を漏れなく比較する必要がある。最大点が1点ではなく対称な3点になるため、答えを1つに絞ってしまわないこと。 2解法の数式と最終結論を相互照合し、原典本文との対応、小問の完答、境界条件、図の読み取りを再確認した。

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出典: 東京大学 1997年度 第2次学力試験 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。