方針
点 は中心 ,半径1の円周上にあるので,正方形 は 方向では常に原点より右側にある。したがって原点に最も近い 座標は で決まる。一方, 方向は なら区間が を含み, なら最も近い 座標が になる。この分岐を , で整理し, では円周上の点と原点の距離, では の最大を比較する。
解答
点 は を満たす。よって である。
正方形 の 座標は を満たす。ここで だから,この区間は正の側にあり,原点に最も近い 座標は である。
一方, 座標は を満たす。 ならこの区間は を含むので,原点に最も近い 座標は である。 なら区間全体が正の側にあるので,原点に最も近い 座標は である。
したがって とおくと, は を満たし,である。 では二つの式は同じ値を与える。
まず の部分を考える。このとき は原点から円周上の点 までの距離である。円の中心は で,その原点からの距離はである。したがって三角形の辺の長さの関係より である。等号は,中心から原点と反対方向へ半径1だけ進んだ点 で成り立つ。この点は を満たすので,実際に許される。
次に の部分を考える。このとき である。円周上で とすると より,この部分での の最大値は である。これは を満たす。
以上より, の最大値は である。
別解
解法2
方針
円周上の点を三角関数で表し,正方形から原点までの距離をとで分ける。後者では距離の2乗がを含む形になるので,合成またはコーシーの不等式で最大化する。前者の最大候補と比較して結論する。
解答
円周上の点をとおく。正方形の左端と下端に対応してとおけば,である。
まずのとき,ここでである。等号はのとき成り立ち,このときなので許される。よってこの部分で次にのときはである。円のの部分でが最大になるのはのときであり,したがって全体の最大値はである。
総評
正方形と原点の距離を,座標ごとの最近点として処理する問題である。難易度は6,計算量は4程度で,想定時間は15分前後。注意点は, 方向は常に左端で決まるのに対し, 方向は を境に式が変わることである。 の最大は「円の中心までの距離+半径」で読めるが,その最大点が実際に 側にある確認を落とさないこと。最後に 側の候補と比較すれば,場合分けの取りこぼしを防げる。 2解法の結論を相互照合し,定義域,端点,場合分け,図示範囲を確認した。