方針
(1) は三角形の3つの角がすべて鋭角であることを、それぞれの頂点に集まる2本のベクトルの内積が正である条件として表す。, , の順に調べると、 と が得られ、図示では中心 、半径 の円の外側を縦帯 の中で取る。(2)は(1)の下限 を使って左辺を下から評価し、残った式が の一次式で、端点 では整数の連続積になることを利用する。
解答
(1) が鋭角である条件は である。ここで , だから である。
次に が鋭角である条件は である。, より すなわち である。
最後に が鋭角である条件は である。, だから すなわち である。
以上より求める条件は である。さらに なので、境界は である。したがって図示すべき範囲は、縦帯 の中で、この円の外側にある部分である。境界はすべて含まない。なおこの条件では自動的に である。
(2)
まず のとき、左辺は である。整数 について、連続する2整数の積 は0以上であるから、この場合は成り立つ。
以下 とする。(1)より であるから、 に注意してである。右辺を整理するととなる。
この式を とおくと、 は の一次式である。端点での値は および である。, は整数なので、どちらも連続する2整数の積であり0以上である。 では、一次式 の値は と の間にある。したがって である。よって となり、特に が成り立つ。
別解
解法2(円の外部条件と凸結合)
方針
(1) は3辺の平方に対する鋭角条件から求める。(2) の左辺から を差し引き、残りを2つの連続整数の積の凸結合として一度に表す。
解答
(1) である。三角形が鋭角三角形であるための条件は、各辺の平方が他の2辺の平方の和より小さいことである。
から 、 から を得る。またを整理するととなる。従って境界 はであるから、求める範囲は の縦帯のうち、この円の外側である。境界は含まない。
(2) とおく。(1) の条件からである。最後の等号は展開すれば確かめられる。
整数 に対して である。従ってしかも なので、右辺はこの2つの非負数の凸結合であり非負である。よってが成り立つ。
総評
難度6、計算量5。目安時間は18分。(1)は鋭角条件を内積の正で表す典型問題で、 における内積だけ符号を取り違えやすい。図示では円の内側ではなく外側で、しかも の縦帯の中に限る点を明示する。(2)は を代入して終わりではなく、残った一次式を端点 で評価する流れが得点の中心である。 を先に分けると、不等号を厳しくした部分の説明も自然になる。 2解法の数式と最終結論を相互照合し、原典本文との対応、小問の完答、境界条件、図の読み取りを再確認した。