方針
軸に接する円は、接点 と半径 で決まる。2つのそのような円が外接する条件を中心間距離で書くと、接点間の距離が になる。そこで , と置くと、接する条件は という整数条件になる。隣り合う2円から生じる新しい円は分子・分母を足した , で表されるので、整数性・互いに素を帰納法で示す。最後は と固定点 の差を評価して収束を示す。
解答
(1) 軸に接し、接点が 、半径が である円の中心は である。2つの円がともに 軸に接し、互いに外接するとき、接点の 座標を 、半径を とすると である。整理して すなわち を得る。 , については であるから と表せる。さらに は2つの円の間で 軸に接する円であり、計算すると なので である。
いま隣り合う2円が と表され、かつ を満たすとする。この2円に接する新しい円について とおくとである。一方、半径を とすれば であり、接点間距離の条件を満たす。同様に とも接する。したがって新しい円は で与えられる。
よって である。 から、数学的帰納法によりすべての は整数である。
(2)
同じ理由で であり、, だから、すべての は整数である。
また隣り合う円が接する条件から が成り立つ。もし と が1より大きい公約数をもてば、左辺 もその公約数で割り切れる。しかし左辺の絶対値は1なので不可能である。したがって と は互いに素である。
(3) と は同じ漸化式を満たし、初期値を比べると である。したがって であり、 となる。 は を満たす正の数である。よってである。ここで であり、また は正で を満たすから である。したがって であり、 が成り立つ。
この不等式をくり返すと、 は0に近づく。したがって である。 を解くと、正の解は である。よって である。
別解
解法2(フィボナッチ数で円を明示)
方針
フィボナッチ数 を用い、接点と半径を 、 と予想して帰納法で確かめる。隣接項の差が1になる恒等式から接触・互いに素を同時に処理する。
解答
(1)
とし、でフィボナッチ数を定める。次を示す。 では問題の2円から明らかである。
軸に接する半径 の2円が外接するための条件は、接点の横座標の差が となることである。またフィボナッチ数についてが帰納法で成り立つ。の間にある分数はこの分数と両端との差はそれぞれであり、半径を とすれば、ちょうど に一致する。従って帰納法により上の表示が成り立つ。
よっては整数である。
(2) も整数である。ユークリッドの互除法からなので、 は互いに素である。
(3) を使うと かつ なので分母は より大きく、従って である。正の解を選べば
総評
難度8、計算量7。目安時間は30分。円の接し方を、接点 と半径 で表す発想が山場である。接点間距離 から が出ると、分子・分母を足す規則が自然に見える。(2)では互いに素を単独で示すのではなく、隣り合う円の接触条件の絶対値1を使う。(3)は漸化式 に落ちた後、固定点との差が毎回 未満に縮むことを明記すればよい。 2解法の数式と最終結論を相互照合し、原典本文との対応、小問の完答、境界条件、図の読み取りを再確認した。