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東京大学 1997年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第6問

aを実数とする.

(1) 曲線y=827x3と放物線y=(x+a)2の両方に接する直線が
x軸以外に2本あるようなaの範囲を求めよ.

(2) aが(1)の範囲にあるとき,
この2本の接線と放物線y=(x+a)2で囲まれた部分の面積Saを用いて表せ.

難易度7/ 10計算量7/ 10目安26

微分積分図形と方程式 接線・法線判別式面積計算、計算整理

方針

3次曲線上の接点を x=t として接線を作る。放物線側は X=x+a とおき、y=X2X=u における接線を x の式へ戻す。傾きと切片を比較して t0 が満たす2次方程式を得る。面積は放物線上の2接点の間隔 d だけで決まり、標準形の積分から d3/12 と計算する。

解答

(1)
3次曲線y=827x3x=t における接線はy=89t2x1627t3である。

一方、放物線を X=x+a と書くと y=X2 である。X=u における接線はy=2u(x+a)u2=2ux+2auu2.両者が同じ直線になるには、傾きの比較からu=49t2であり、切片の比較から2auu2=1627t3でなければならない。u=4t2/9 を代入すると881t2(9a+6t2t2)=0.t=0 は常に x 軸を表す。x 軸以外では t0 なので2t26t9a=0(1)を得る。従って、x 軸以外の異なる共通接線が2本ある条件は、(1) が相異なる2つの非零実数解をもつことである。

判別式は36+72a=36(1+2a)だから a>1/2 が必要である。また解の積は 9a/2 なので、a=0 では一方が0になり、x 軸以外の接線は1本しかない。従ってa>12,a0である。

(2)
(1) の2根を t1,t2 とし、対応する放物線上の接点を u1,u2 とする。t1+t2=3,t1t2=31+2aであり、ui=4ti2/9 だからu1u2=49t1t2t1+t2=41+2a.ここで一般に、放物線 y=X2 の2接点の間隔を d とする。接点の中点を原点へ平行移動すると、放物線と2本の接線の差を左右に積分でき、囲まれる面積は20d/2w2dw=d312となる。従って本問ではS=(41+2a)312=163(1+2a)3/2.

別解

解法2(共通接線を傾きの平方根で表す)

方針

3次曲線の x 軸以外の接線を、傾きが 2z2 となるようにパラメータ z で表す。この直線が放物線にも接する条件は、交点方程式の判別式を0とするだけで得られる。放物線上の接点座標は X=z2 なので、2接点の間隔から面積を計算する。

解答

(1)
z0 とする。3次曲線y=827x3x=3z/2 における接線はy=2z2x2z3である。逆に、x 軸以外の接線はこの形で一意に表せる。

この直線と放物線 y=(x+a)2 の交点方程式は(x+a)2=2z2x2z3である。放物線に接する条件は、この x の2次方程式の判別式が0となることである。計算すると4z2(z22z2a)=0.z0 だからz22z2a=0を得る。

x 軸以外の異なる共通接線が2本あるためには、この方程式が相異なる2つの非零実数解をもてばよい。判別式から4+8a>0,すなわち a>1/2 が必要である。また積 2a が0になる a=0 では一方の解が z=0 となるので除く。従ってa>12,a0である。

(2)
2根を z1,z2 とする。放物線をX=x+a,y=X2と書くと、接線の傾きは 2zi2 だから、放物線上の接点の X 座標はXi=zi2である。

解と係数の関係からz1+z2=2,z1z2=21+2a.従って2接点の間隔はd=X1X2=z1z2z1+z2=41+2a.標準放物線 y=X2 と、間隔 d の2接点における接線で囲まれる面積はd312である。これは接点の中点を原点へ移し、左右の部分を積分すれば直ちに確かめられる。従ってS=(41+2a)312=163(1+2a)3/2.

総評

難度7、計算量7。目安時間は26分。共通接線を両曲線の接点パラメータで表し、傾きと切片を照合する問題である。切片比較から得る方程式は 2t26t9a=0 であり、a の符号を誤ると存在範囲と面積がともに逆転する。実際、a=1 では2本が存在することを数値代入でも確認できる。a=0 では一方が t=0、すなわち除外対象の x 軸になるため除く。2解法で条件 a>1/2, a0 と面積を独立に照合した。

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出典: 東京大学 1997年度 第2次学力試験 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。