Evolton

東京大学 1992年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第5問

xy平面において,曲線y=x36+12x上の点(1,23)を出発し,この曲線上を進む点Pがある。
出発してからt秒後のPの速度vの大きさはt2に等しく,vx成分はつねに正または0であるとする。

(1) 出発してからt秒後のPの位置を(x,y)として,xtの間の関係式を求めよ。

(2) vがベクトル(8,15)と平行になるのは出発してから何秒後か。

難易度6/ 10計算量5/ 10目安18

微分積分ベクトル 置換定積分評価ベクトル成分計算、計算整理

方針

点は曲線上を動くので,出発点から現在位置までの道のりを曲線の長さで表す。dy/dx を求めると,1+(dy/dx)2 が平方になり,弧長要素が 12(x2+x2)dx に簡単化する。速度の x 成分が常に正または0なので,x は1から増加する向きに動く。速さが t/2 だから道のりは t2/4 である。(2)は速度の向きが接線方向であることから,接線の傾きが 15/8 になる x を求め,(1)へ代入する。

解答

(1)
曲線は y=x36+12x であるから dydx=x2212x2 である。したがって弧長要素は1+(dydx)2dx=1+14(x21x2)2dxである。根号内を整理すると1+14(x21x2)2=14(x2+1x2)2であるから,x>0 では1+(dydx)2=12(x2+1x2)となる。

速度の x 成分は常に正または0なので,x は出発時の 1 から増加する向きに動く。よって出発点から (x,y) までの道のりは1x12(u2+1u2)du=[u3612u]1x=x3612x+13である。

一方,速さは t/2 であるから,出発してから t 秒までの道のりは 0tτ2dτ=t24 である。したがって求める関係式は x3612x+13=t24 である。

(2)
速度ベクトルは曲線の接線方向を向く。vx 成分は非負であるから,(8,15) と平行になるためには接線の傾きが 158 であればよい。よって x2212x2=158 を解く。X=x2 とおくと X212X=158 であり,4X215X4=0 を得る。これを因数分解すると (4X+1)(X4)=0 である。X=x2>0 だから X=4,x=2 である。

(1) の関係式に x=2 を代入すると t24=8614+13=1712 である。したがって t2=173 であり,t0 だから t=173 秒後である。

総評

曲線上の運動を,弧長と接線方向に分けて処理する問題である。目安時間は18分。dy/dx を求めた後,弧長要素が 12(x2+x2) にきれいに整理される点が計算の中心である。速度の x 成分が非負という条件により,出発点から x が増える向きに積分できる。(2)では平行条件を接線の傾き 15/8 に直し,x=2 を(1)へ戻す流れを明確に書くとよい。

冊子PDFで見る東大の微分の問題で問題集を作る

出典: 東京大学 1992年度 第2次学力試験 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。