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東京大学 1999年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第2問

座標平面上の原点をO(0,0)とする.
またx座標およびy座標がともに整数であるような点を格子点という.

(1) tを正の実数とする.
P(1,0)を通り,傾きがtの直線と単位円x2+y2=1とのP以外の交点をQ(t)とする.
Q(t)の座標を求めよ.
つぎに,0<s<tを満たす2つの実数stに対し,線分Q(s)Q(t)の長さを求めよ.

(2) Q(s)PO=αQ(t)PO=βとしu=tanα2,v=tanβ2とおく.
もしuvがともに有理数ならば,線分Q(s)Q(t)の長さもまた有理数となることを示せ.

(3) 任意に与えられた3以上の整数nに対し,
つぎの条件(C1),(C2),(C3)をすべて満たすn個の異なる点A1,A2,,Anが,
座標平面上に存在することを証明せよ.

(C1) A1,A2,,Anはすべて格子点である.

(C2) A1,A2,,Anのどの異なる3点も一直線上にない.

(C3) A1,A2,,Anのどの異なる2点AiAjに対しても,線分AiAjの長さは整数である.

難易度9/ 10計算量7/ 10目安40

図形と方程式三角関数整数 座標設定三角比の利用、一般化、存在証明

方針

直線と単位円の交点を代入で求め、2点間距離を整理する。半角 u,v が有理数なら sinα,cosα,sinβ,cosβ が有理数で、弦長 2sin(βα) も有理数になる。有限個の有理点を一斉に整数倍して格子点を作る。

解答

(1) 直線はy=t(x+1)である。これを x2+y2=1 に代入し、既知の根 x=1 を除くとQ(t)=(1t21+t2,2t1+t2).従って 0<s<t のとき、座標差を計算してQ(s)Q(t)=2(ts)(1+s2)(1+t2).(2) 直線 PQ(s) の傾きは s だからs=tanα,t=tanβ.u=tan(α/2) が有理数ならsinα=2u1+u2,cosα=1u21+u2はともに有理数である。同様に v が有理数なら sinβ,cosβ も有理数である。

Q(s),Q(t) の単位円上での偏角はそれぞれ 2α,2β なので、その弦長はQ(s)Q(t)=2sin(βα).ここでsin(βα)=sinβcosαcosβsinαは有理数である。従って弦長も有理数である。

(3) 0<u1<<un<1 を満たす相異なる有理数を選ぶ。例えばuj=jn+1でよい。uj=tan(αj/2) とし、対応する単位円上の点を Qj とする。(1)および半角公式から各 Qj の座標は有理数であり、(2)から任意の二点間距離も有理数である。

有限個の座標と距離の分母の公倍数を N としAj=NQjとおく。すると各 Aj は格子点で、任意の二点間距離は整数である。また Qj は同一円周上の相異なる点であり、一直線と円の交点は高々2個だから、どの3点も一直線上にない。相似拡大でこの性質は保たれる。

従って A1,,An は (C1)、(C2)、(C3) をすべて満たす。

別解

解法2

方針

半角変数 u,v から弦長を有理式として直接導く。相異なる有理数 uj(0,1) を選べば、対応点の座標と全ての相互距離が有理数になる。座標と距離の分母の公倍数で拡大し、円と直線の交点数から非共線性を保証する。

解答

(1)
直線 PQ(t)y=t(x+1) である。単位円へ代入して既知の交点 P を除けばQ(t)=(1t21+t2,2t1+t2).座標差を整理するとQ(s)Q(t)=2(ts)(1+s2)(1+t2).(2)s=tanα, t=tanβ であり、Q(s),Q(t) の単位円上の偏角はそれぞれ 2α,2β である。従って弦長はQ(s)Q(t)=2sin(βα).半角公式からsinα=2u1+u2,cosα=1u21+u2であり、β,v についても同様である。従ってQ(s)Q(t)=4(vu)(1+uv)(1+u2)(1+v2).0<s<t では 0<u<v なので右辺は正であり、u,v が有理数なら弦長も有理数である。

(3)
相異なる有理数0<u1<u2<<un<1を選ぶ。例えば uj=j/(n+1) でよい。uj=tan(αj/2)tj=tanαj として Qj=Q(tj) を取る。

tj=2uj/(1uj2) は有理数なので、(1)から Qj の両座標は有理数である。また上の公式から QiQj も有理数である。有限個の全座標と全距離の分母の公倍数を N としAj=NQjと置けば、全ての Aj は格子点で、任意の2点間距離は整数である。

Qj は同一円周上の相異なる点である。一直線と円の共有点は高々2個なので、異なる3点が一直線上に並ぶことはない。この性質は相似拡大で保たれる。従って (C1)--(C3) を全て満たす。

総評

有理座標だけでは2点間距離の平方根が有理とは限らないため、さらに半角を有理数にする工夫が必要である。弦長を u,v の有理式へ直すことで条件 (C3) が保証される。最後の一斉拡大では、座標だけでなく全ての相互距離の分母も公倍数へ含める。非共線性は円と直線の共有点が高々2個であることから従う。

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出典: 東京大学 1999年度 後期 理系(後期) 第2問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。