方針
(1) では が から まで1周するので、, の符号が変わる4つの象限に分ける。絶対値を取ることは、角 を第1象限の角 へ折り返す操作である。(2)ではこの折り返し写像を とし、 となる の個数を逆向きに数える。通常の点は逆像を4個持つが、端点 は3個、 は2個しか持たないため、その補正を入れて漸化式を作る。
解答
(1) なので である。 は第1象限の角で、, がそれぞれ , になる角である。したがって を第1象限へ折り返せばよい。
各区間で書くとである。グラフは、点をこの順に直線で結んだ折れ線である。
(2)
(1)で定まる対応を と書く。 となる は の3個である。また となる は の2個である。さらに の点に対しては、4つの区間それぞれに1個ずつ解があるので、 の解は4個である。 となる の個数を とする。 は を 回くり返すことを表す。まず である。 とする。集合 には、常に と が含まれる。次に1回分逆像を取ると、普通は各点から4個ずつ出る。しかし からは3個、 からは2個しか出ない。したがって である。
この漸化式は と変形できる。 だから であり、 である。
いま は と同じである。したがって求める個数は である。
別解
解法2(等間隔格子を逆算)
方針
角度を で割って区間 に正規化する。折り返し写像を繰り返したとき、0へ移る点が等間隔の格子になることを帰納法で示し、格子点数を直接数える。
解答
(1)
を から まで動かし、第1象限へ折り返すととなる。従って、、、、、 を順に結ぶ折れ線である。
(2)
、 と正規化する。すると は 上で傾きが の折れ線写像である。
次を帰納法で示す。 では零点は なので成立する。
この格子の隣り合う2点の間では は、0から1へ上がるか1から0へ下がる直線である。さらに を1回施すと各小区間が4等分され、そのうち両端を含めて零点が等間隔に並ぶ。従って分母は4倍され、帰納法が進む。
は と同値である。従って許される はであり、その個数はである。
総評
難度6、計算量5。目安時間は18分。絶対値つき三角関数を、角を第1象限へ折り返す写像として見ることが核心である。(1)は折れ線の5点を書けば図示として十分に伝わる。(2)は順方向に追うより逆像を数える方が簡単で、端点 だけ逆像の個数が減る点が最大の注意点である。漸化式 の の内訳を説明できるかが答案の質を決める。 2解法の数式と最終結論を相互照合し、原典本文との対応、小問の完答、境界条件、図の読み取りを再確認した。