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東京大学 1999年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第3問

cc>14を満たす実数とする。
xy平面上の放物線y=x2Aとし,直線y=xcに関してAと対称な放物線をBとする。
Pが放物線A上を動き,点Qが放物線B上を動くとき,線分PQの長さの最小値をcを用いて表せ。

難易度6/ 10計算量4/ 10目安20

図形と方程式関数微分 図形的解釈、範囲評価、微分による最大最小対称性の利用

方針

対称軸 l:y=xc から放物線 A までの最短距離を求める。A とその鏡像 Bl の反対側にあるので、任意の P,Q の距離を両点から l への距離の和で下から評価し、最近点とその鏡像で等号を実現する。

解答

直線 l:y=xc を考える。放物線 A:y=x2 上の点 (x,x2) について、直線 lxyc=0 と書けば、この点から l までの距離は xx2c2=x2x+c2 である。ここで x2x+c=(x12)2+c14 であり、c>1/4 だから x2x+c>0 である。したがって、放物線 A は直線 l と交わらず、常に同じ側にある。

この距離の最小値は x=12 のときであり、minPAdist(P,l)=c142 である。

次に、Q を放物線 B 上の任意の点とする。BA を直線 l に関して対称移動したものであるから、Q の対称移動前の点を QA とおくと dist(Q,l)=dist(Q,l) である。したがって dist(Q,l)c142 である。

一方、PAQB は直線 l をはさんで反対側にある。よって線分 PQ の長さは、少なくとも2点の l からの距離の和以上である。したがってPQc142+c142=2(c14)である。

等号が実現することを確認する。A 上で l からの距離を最小にする点は P0=(12,14) である。この点を直線 l に関して対称移動した点を Q0 とすれば、Q0B 上にあり、線分 P0Q0l に垂直で、その長さは P0 から l までの距離の2倍である。よってP0Q0=2c142=2(c14)である。

したがって求める最小値は 2(c14) である。

別解

解法2

方針

直線 l に平行・垂直な正規直交座標へ回転する。垂直座標は A 上で平方完成でき、常に一定値以上になる。反射でその符号だけが反転するため、2曲線間の距離の下限と等号点を座標差から直接求める。

解答

直線 l:y=xc に平行・垂直な正規直交座標をu=x+y+c2,v=yx+c2と置く。直線 lv=0 であり、vl からの符号付き距離である。

放物線 A 上では y=x2 だからv=x2x+c2=(x12)2+c142c142.c>1/4 より Av>0 側にある。反射によって u は変わらず v の符号だけが反転するので、放物線 Bvc142の側にある。

従って PA, QB に対し、2点の v 座標の差だけを見てもPQvPvQ2(c14)2=2(c14).x=1/2 に対応する A 上の点と、その l に関する鏡像を選べば、両点の u 座標は等しく、上の2つの不等式で等号が成り立つ。よって最小値は2(c14)である。

総評

鏡像どうしの最短距離は、対称軸までの最短距離の2倍になる。ただし、その主張だけで済ませず、任意の2点に対する下界と、最近点の鏡像による等号成立を分けて示す必要がある。c>1/4 は放物線が対称軸と交わらず、符号付き距離が正になるための条件である。

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出典: 東京大学 1999年度 前期 文系 第3問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。