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東京大学 1999年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第4問

xyz空間においてxy平面上に円板Aがありxz平面上に円板Bがあって以下の2条件を満たしているものとする。

(a) ABは原点からの距離が1以下の領域に含まれる。

(b) ABは一点Pのみを共有し,Pはそれぞれの円周上にある。

このような円板ABの半径の和の最大値を求めよ。
ただし,円板とは円の内部と円周をあわせたものを意味する。

難易度8/ 10計算量6/ 10目安25

図形と方程式ベクトル微分 座標設定円の性質、範囲評価、微分による最大最小

方針

共有点を P=(t,0,0) とし、各円板の中心と P を含む平面断面で考える。単位円板内に半径 r の円板が収まる条件を、中心までの距離と r の和で表す。2円板の x 軸上の弦が P 以外で重ならないという向きの制約を入れて半径を評価する。

解答

円板 A,B が異なる平面にあり、両平面の共通部分は x 軸である。従って共有点はP=(t,0,0),1t1と書ける。x 軸について対称なので t0 としてよい。

平面内で中心 C=(a,b)、半径 r の円板が原点中心の単位円板に含まれる条件はa2+b2+r1である。さらに P=(t,0) が円周上だから(ta)2+b2=r2.2式で等号が成り立つ場合が半径最大であり、消去するとa2+b2=at+1t22,r=1+t22at.この円板と x 軸の共通部分の両端は t2at である。2つの円板の共通部分が P だけになるには、2つの区間が P から反対向きへ伸びるか、一方が P で接しなければならない。

a<t の側では半径の最大は中心が x 軸上で反対側へ寄るときに起こりr11+t2.at の側では上の ra とともに減少するのでr2ra=t=1t22.従ってr1+r21+t2+1t22=9812(t12)298.P=(1/2,0,0) とし、xy 平面の円板を中心 (1/4,0,0)、半径 3/4xz 平面の円板を中心 (1/2,0,3/8)、半径 3/8 とすれば等号を実現する。従って最大値は98である。

別解

解法2

方針

円板中心を CP から中心と反対向きの単位ベクトルを u と置く。包含条件 OC+r1 を2乗して、半径の上限を ux 成分で表す。2つの円板ではその成分の符号が反対になることを使い、1変数の二次式を最大化する。

解答

共有点は2平面の共通部分である x 軸上にあるからP=(t,0,0),1t1と置ける。対称性により t0 としてよい。

一方の円板を含む平面内で、その中心を C、半径を r とする。円板が原点中心の単位円板に含まれるための必要十分条件はOC+r1である。また P は円周上なので CP=r である。

P から中心と反対向きの単位ベクトルを u=(a,b) と置くとOC=(t,0)ru.包含条件を2乗するとt22rta+r2(1r)2だからr1t22(1ta).円板と x 軸との共通部分は P を端点とする区間、または P だけである。2円板が P 以外を共有しないためには、一方の区間は P から左へ、他方は右へ伸びるか、少なくとも一方が Px 軸に接しなければならない。

左へ伸びる円板では a0 であり、上式の最大は a=1 のときrL1t22(1t)=1+t2.右へ伸びる円板または接する円板では a0 なのでrR1t22.従って半径の和はrL+rR1+t2+1t22=9812(t12)298.t=1/2 のとき、左側の円板を中心 (1/4,0)、半径 3/4、もう一方を中心 (1/2,3/8)、半径 3/8 とすれば、いずれも単位円板内に収まり、x 軸上の共通部分は P だけである。元の互いに垂直な平面へ戻せば条件を満たす。従って最大値は98である。

総評

中心が軸上にあると決めつけると最大値を落とす。円板と x 軸の交わりが区間か接点かを調べ、2区間が P 以外で重ならない向きを制約へ入れることが核心である。上限 9/8 だけでなく、半径 3/43/8 の具体的配置で達成可能性も確認した。

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出典: 東京大学 1999年度 前期 理系 第4問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。