方針
(1) は差を作り、下側は3階、上側は5階まで微分すると 1−cosx≧0 になることを使う。(2)では回転体の体積要素が πsin2xdx である。中央直前は sinx∼1、最初の切断は sinx∼x を使って尺度を決める。
解答
(1) F(x)=sinx−x+6x3とおくと F′′′(x)=1−cosx≧0 であり、F(0)=F′(0)=F′′(0)=0 である。したがって順に積分して F(x)≧0 を得る。
同様にG(x)=x−6x3+120x5−sinxとおくと G(5)(x)=1−cosx≧0 で、G(0)=G′(0)=⋯=G(4)(0)=0 である。よって G(x)≧0 であり、二つの不等式が示された。
(2)
(a) 回転体の全体積はπ∫0πsin2xdx=2π2だから、一部分の体積は π2/(4n) である。対称性より x=π/2 も切断位置であり、an との間が一部分だからπ∫anπ/2sin2xdx=4nπ2.hn=π/2−an とおくと∫0hncos2tdt=4nπ.ここから hn→0 であり、h−1∫0hcos2tdt→1なのでn→∞limnhn=4π.(2)(b) 最初の一部分について∫0bnsin2xdx=4nπ.(1)から sinx/x→1 であるからb31∫0bsin2xdx=∫01(btsin(bt))2t2dt⟶31.したがってbn3∼4n3π.よって npbn が0でない有限値に収束するのはp=31のときだけで、その極限はn→∞limn1/3bn=(43π)1/3である。
別解
解法2(正確な積分式から尺度を読む)
方針
(1) は差の導関数の符号を0から順に戻して証明する。
(2)では∫sin2xdxの正確な式を使い、中央では
h の1次項、端では b の3次項が最初に残ることを示す。
解答
(1) F(x)=sinx−x+6x3とおくとF′′′(x)=1−cosx≧0,F(0)=F′(0)=F′′(0)=0.したがって F′′,F′,F は順に非負となり、x−6x3≦sinx.同様にG(x)=x−6x3+120x5−sinxとおけばG(5)(x)=1−cosx≧0で、0における4階までの導関数はすべて0である。よって G(x)≧0、
すなわちsinx≦x−6x3+120x5.(2)
全体積はπ∫0πsin2xdx=2π2,したがって1部分の体積は π2/(4n) である。
(2) (a)
hn=π/2−an とおくと∫0hncos2tdt=4nπ.正確には∫0hcos2tdt=2h+4sin2h.sin2h/(2h)→1 だから左辺を h で割った値は1に収束する。
よってn→∞limn(2π−an)=4π.(2)(b)∫0bnsin2xdx=4nπであり、∫0bsin2xdx=2b−4sin2b.(1)の評価から sinx/x→1 が従い、変数変換 x=bu によりb31∫0bsin2xdx=∫01(busin(bu))2u2du⟶31.したがってbn3∼4n3π.ゆえに0でない有限な極限をもつ指数はp=31だけであり、n→∞limn1/3bn=(43π)1/3.
総評
難度7、計算量6。想定時間は30分程度。(2)では全体積から一片の体積を先に固定する。中央付近は幅の1乗、原点付近は sin2x∼x2 の積分で幅の3乗になるため、二つの極限の尺度が異なる。誘導(1)を近似の根拠に使う。
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出典: 東京大学 2003年度 後期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。