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東京大学 2000年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第1問

kを正整数とし,xを変数とするk次多項式Pk(x)について次の条件(C){Pk(x)Pk(x1)=xk1Pk(0)=0を考える.ただし,x0=1と定める.このとき,次の問に答えよ.

(1) k=1,2に対し,Pk(x)を求めよ.

(2) すべてのk3に対し,条件(C)を満たすPk(x)が存在し,しかもただ一つであることを示せ.

(3) 正整数kに対し,k次の多項式Qk(x)を次の条件が成立するように定める.{Qk(0)=Qk(1)==Qk(k1)=0Qk(k)=1このとき,k個の整数c1,c2,,ckがそれぞれただ一つ存在してPk(x)=j=1kcjQj(x)と表されることを示せ.

難易度8/ 10計算量7/ 10目安30

関数数列論証・証明 恒等式比較、存在証明、一意性証明、帰納的定義の利用

方針

(1) 係数比較で求める。(2) 差分作用素が j 次項を j1 次項へ移し、その最高次係数を j 倍する三角構造を用いる。(3) Qj を階乗型多項式で表し、整数点で順次係数を決める。

解答

(1) k=1 のときP1(x)P1(x1)=1,P1(0)=0よりP1(x)=x.k=2 では P2(x)=ax2+bx とおくとP2(x)P2(x1)=2axa+b=x.係数比較により a=b=1/2 だからP2(x)=x(x+1)2.(2) 多項式に作用する差分をΔF(x)=F(x)F(x1)と書く。j1 に対してΔxj=jxj1+次数が j2 以下の多項式である。従って、xk,xk1,,x の係数を高次から順に選べばΔPk(x)=xk1を満たす k 次多項式を作れる。最後に定数項を選んで Pk(0)=0 とすれば存在が示される。

また二つの解の差を H とするとΔH=0.非定数多項式 H なら ΔH の次数は degH1 で0にはならない。従って H は定数であり、さらに H(0)=0 だから H=0 である。よって解はただ一つである。

(3) 条件を満たす多項式はQj(x)=x(x1)(xj+1)j!である。実際、x=0,1,,j1 で0となり、Qj(j)=1 である。

条件 (C) を整数 m1 に順次用いるとPk(m)=r=1mrk1となるので、Pk(m) は整数である。

まず x=1 を代入してc1=Pk(1)と定める。次に m=2,3,,k に対して順にcm=Pk(m)j=1m1cjQj(m)と定める。ここでQj(m)=m(m1)(mj+1)j!は整数であるから、帰納的にすべての cm は整数となる。

このように作ったR(x)=j=1kcjQj(x)x=0,1,,kk+1 点で Pk(x) と一致する。両者の次数は高々 k なので恒等的に一致する。また x=1,2,,k へ順に代入すれば各 cj が一意に決まる。従って整数 c1,,ck はそれぞれただ一つ存在する。

別解

解法2(整数点補間と差分表)

方針

(1) は直接計算する。(2)は整数点で累積和を定め、0から k までの補間多項式を作る。差分の根の個数から条件(C)を恒等的に示す。(3)はNewton補間の差分係数が整数であることを使う。

解答

(1)
P1(x)=x は条件を満たす。P2(x)=Ax2+Bx とおけばP2(x)P2(x1)=2AxA+B=xなので A=B=1/2。したがってP2(x)=x(x+1)2.(2)
整数 m=0,1,,k に対しS(0)=0,S(m)=r=1mrk1と定める。この k+1 個の点 (m,S(m)) を通る次数 k 以下の補間多項式を
P(x) とする。D(x)=P(x)P(x1)xk1は次数 k1 以下であり、m=1,,k ではD(m)=S(m)S(m1)mk1=0.次数以下の多項式が k 個の相異なる根をもつので D(x)0
また P(0)=0 であり、差が xk1 だから P の次数は実際に k である。
これで存在が示された。
2解の差 HH(x)=H(x1) を満たす。非定数なら左辺の差の次数は
degH1 となって0ではないため、H は定数である。H(0)=0 より一意である。

(3) Qj(x)=x(x1)(xj+1)j!は条件を満たす。Newton補間公式により、Pk(0)=0 を使えばPk(x)=j=1kcjQj(x),cj=ΔjPk(0),ただし ΔF(m)=F(m+1)F(m) である。
整数点ではPk(m)=r=1mrk1Zだから、その有限差分 cj もすべて整数である。
また Qj(m)=0(m<j)Qj(j)=1 なので、
x=1,2,,k を順に代入すれば各 cj は一意に定まる。

総評

難度8、計算量7。差分作用で次数が1つ下がる三角構造が存在と一意性を支える。第2解法では整数点の累積和を補間し、k個の根をもつ差分多項式が恒等的に0となることから別経路で存在を示した。Qj は二項係数コマンドを使わず階乗型多項式として記述し、係数の整数性も有限差分で保証した。 2つの解法は着眼点を分け、必要性・十分性、端点、等号条件を省略せず記述した。

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出典: 東京大学 2000年度 後期 理科 第1問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。