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東京大学 2001年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第3問

整数を係数とする2次式 f(x) で、
2次の項の係数が正であるものが与えられている。
任意の実数 x に対して、原点を中心とする単位円 C 上の点をP(x)=(cos2πf(x),sin2πf(x))によって定める。
円周 C の長さ L (0<L<2π) の弧 I を固定する。
各自然数 k に対して{xkxk+1, P(x)I}は互いに交わらない有限個の区間の和集合になるので、
それらの区間の長さの総和を Tk とする。
このときlimkTk=L2πを証明せよ。

難易度9/ 10計算量8/ 10目安40

関数三角関数積分 置換不等式評価、はさみうち、極限計算

方針

f(x)=ax2+bx+c と置き、十分大きい k で単調増加とする。変数 y=f(x) に移すと、[f(k),f(k+1)] は整数個の1周期に分かれ、各周期で弧に対応する y の長さは L/(2π) である。逆関数の微分を区間両端の f で挟む。

解答

f(x)=ax2+bx+c とおく。ただし a は正の整数である。十分大きい k では f(x)=2ax+b>0[k,k+1] で成り立つので、以下そのような k を考える。M=f(k),N=f(k+1),D=NMとおく。係数と k は整数だから M,N,D は整数でありD=2ak+a+b.y=f(x) と変数を移すと、y[M,N] を動き、この区間は長さ1の区間を D 個含む。各1周期の中で P(x)I に対応する y の集合の長さは=L2πである。弧が角度0の位置をまたぐ場合も、二つの区間に分かれるだけで長さの和は である。

逆関数を x=x(y) とするとdxdy=1f(x(y)).f は増加するから、kx(y)k+11f(k+1)dxdy1f(k).弧に対応する y の全長は D なので、積分してDf(k+1)TkDf(k).ここでf(k)=2ak+b,f(k+1)=2ak+2a+b,D=2ak+a+b.従ってDf(k+1)1,Df(k)1(k).はさみうちによりlimkTk==L2π.

別解

解法2(1周期ごとの誤差を足す)

方針

変数 y=f(x) で弧の条件を周期1の指示関数に直す。
逆関数の微分は1周期内でほぼ一定なので、
各周期の平均からの誤差を振幅で押さえ、全周期について望遠的に足す。

解答

I に対応する y の小数部分の集合を J とし、=J=L2πとおく。十分大きい k では f[k,k+1] で増加する。M=f(k),N=f(k+1)は整数である。

逆関数を x=x(y) としg(y)=dxdy=1f(x(y))とおく。f は増加するので g は減少する。
またMNg(y)dy=1.χ(y) を、小数部分が J に入るとき1、その他で0となる
周期1の関数とする。各整数区間 [j,j+1]jj+1{χ(y)}dy=0.したがって、この区間における積分jj+1(χ)gdyの絶対値は g(j)g(j+1) 以下である。
全区間を足すとTk=MN{χ(y)}g(y)dyj=MN1{g(j)g(j+1)}=g(M)g(N).0g(M)g(N)1f(k)1f(k+1)0.よってlimkTk==L2π.

総評

難度9、計算量8。想定時間は40分程度。整数係数なので f(k),f(k+1) が整数となり、区間内の回転数がちょうど整数になる点が核心である。各回転の滞在時間は完全には等しくないが、逆関数の微分の最大・最小で全体を挟むと誤差が消える。 2つの解法は標準的な答案手順と、別の構造から検算できる経路に分けた。必要性と十分性、等号条件、範囲を明示し、積分・総和・極限と主要な分数は読みやすい表示形式に統一した。

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出典: 東京大学 2001年度 後期 数学 第3問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。