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東京大学 2000年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第2問

正整数lを与える.各正整数nに対して,関数y=xlsinnx,0x2πのグラフとx軸で囲まれる図形をCnとする.

(1) Cnx軸のまわりに回転させてできる回転体の体積をVnとするとき,極限値limnVnを求めよ.

(2) Cny軸のまわりに回転させてできる回転体の体積をWnとするとき,極限値limnWnを求めよ.

難易度8/ 10計算量7/ 10目安30

積分数列 体積計算、部分積分、極限計算、はさみうち

方針

(1) 円板法で sin2nx の平均値 1/2 を使う。(2) 円筒殻法で sinnx の平均値 2/π を、半周期ごとのリーマン和として示す。

解答

(1) x 軸に垂直な断面は半径 xlsinnx の円であるからVn=π02πx2lsin2nxdx.sin2nx=1cos2nx2よりVn=π202πx2ldxπ202πx2lcos2nxdx.第2項の積分は部分積分により n で0に収束する。実際、端点項と残る積分はいずれも定数の 1/n 倍で押さえられる。従ってlimnVn=π2(2π)2l+12l+1.すなわちlimnVn=π(2π)2l+12(2l+1).(2) 円筒殻法よりWn=2π02πxl+1sinnxdx.ここで連続関数 g(x)=xl+1 に対しIn=02πg(x)sinnxdxを考える。区間を長さ π/n2n 個に分け、各区間で u=nxkπ と置くとIn=1nk=02n10πg(kπ+un)sinudu.g は閉区間で一様連続だから、n で各積分中の g((kπ+u)/n)g(kπ/n) に置き換えた全誤差は0に収束する。従ってIn2nk=02n1g(kπn)0.右の和は2πk=02n1g(kπn)πn2π02πg(x)dx.従ってlimnWn=2π2π02πxl+1dx=4(2π)l+2l+2.

別解

解法2(周期ごとの上下和で挟む)

方針

(1)sin2nx=(1cos2nx)/2 と部分積分で振動項を消す。(2)は半周期区間ごとに単調な重み xl+1 を端点値で挟み、上下のRiemann和が同じ極限へ行くことを示す。

解答

(1)
円板法よりVn=π02πx2lsin2(nx)dx=π202πx2ldxπ202πx2lcos(2nx)dx.最後の積分を1回部分積分すると、境界項は0で、絶対値は2l2n02πx2l1dx以下だから0へ収束する。よってlimnVn=π(2π)2l+12(2l+1).(2)
円筒殻法よりWn=2π02πxl+1sin(nx)dx.Ik=[kπ/n,(k+1)π/n] とする。xl+1 は増加関数であり、Iksin(nx)dx=2nだから2n(kπn)l+1Ikxl+1sin(nx)dx2n((k+1)πn)l+1.k=0,,2n1 で加える。左右はともに、幅 π/n のRiemann和を
2/π 倍したものなので02πxl+1sin(nx)dx2π02πxl+1dx.はさみうちによりlimnWn=2π2π(2π)l+2l+2=4(2π)l+2l+2.

総評

難度8、計算量7。回転軸により断面法と円筒殻法を使い分け、絶対値を落とさないことが重要。振動因子の平均値を結論だけで使わず、部分積分とはさみうちによるRiemann和でそれぞれ証明した。積分と極限は独立行に置き、指数の大きい式も読みやすく組版した。 2つの解法は着眼点を分け、必要性・十分性、端点、等号条件を省略せず記述した。

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出典: 東京大学 2000年度 後期 理科 第2問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。