方針
(1) 円板法で sin2nx の平均値 1/2 を使う。(2) 円筒殻法で ∣sinnx∣ の平均値 2/π を、半周期ごとのリーマン和として示す。
解答
(1) x 軸に垂直な断面は半径 ∣xlsinnx∣ の円であるからVn=π∫02πx2lsin2nxdx.sin2nx=21−cos2nxよりVn=2π∫02πx2ldx−2π∫02πx2lcos2nxdx.第2項の積分は部分積分により n→∞ で0に収束する。実際、端点項と残る積分はいずれも定数の 1/n 倍で押さえられる。従ってn→∞limVn=2π⋅2l+1(2π)2l+1.すなわちn→∞limVn=2(2l+1)π(2π)2l+1.(2) 円筒殻法よりWn=2π∫02πxl+1∣sinnx∣dx.ここで連続関数 g(x)=xl+1 に対しIn=∫02πg(x)∣sinnx∣dxを考える。区間を長さ π/n の 2n 個に分け、各区間で u=nx−kπ と置くとIn=n1k=0∑2n−1∫0πg(nkπ+u)sinudu.g は閉区間で一様連続だから、n→∞ で各積分中の g((kπ+u)/n) を g(kπ/n) に置き換えた全誤差は0に収束する。従ってIn−n2k=0∑2n−1g(nkπ)⟶0.右の和はπ2k=0∑2n−1g(nkπ)nπ⟶π2∫02πg(x)dx.従ってn→∞limWn=2π⋅π2∫02πxl+1dx=l+24(2π)l+2.
別解
解法2(周期ごとの上下和で挟む)
方針
(1) は sin2nx=(1−cos2nx)/2 と部分積分で振動項を消す。(2)は半周期区間ごとに単調な重み xl+1 を端点値で挟み、上下のRiemann和が同じ極限へ行くことを示す。
解答
(1)
円板法よりVn=π∫02πx2lsin2(nx)dx=2π∫02πx2ldx−2π∫02πx2lcos(2nx)dx.最後の積分を1回部分積分すると、境界項は0で、絶対値は2n2l∫02πx2l−1dx以下だから0へ収束する。よってn→∞limVn=2(2l+1)π(2π)2l+1.(2)
円筒殻法よりWn=2π∫02πxl+1∣sin(nx)∣dx.Ik=[kπ/n,(k+1)π/n] とする。xl+1 は増加関数であり、∫Ik∣sin(nx)∣dx=n2だからn2(nkπ)l+1≦∫Ikxl+1∣sin(nx)∣dx≦n2(n(k+1)π)l+1.k=0,…,2n−1 で加える。左右はともに、幅 π/n のRiemann和を
2/π 倍したものなので∫02πxl+1∣sin(nx)∣dx⟶π2∫02πxl+1dx.はさみうちによりn→∞limWn=2π⋅π2⋅l+2(2π)l+2=l+24(2π)l+2.
総評
難度8、計算量7。回転軸により断面法と円筒殻法を使い分け、絶対値を落とさないことが重要。振動因子の平均値を結論だけで使わず、部分積分とはさみうちによるRiemann和でそれぞれ証明した。積分と極限は独立行に置き、指数の大きい式も読みやすく組版した。 2つの解法は着眼点を分け、必要性・十分性、端点、等号条件を省略せず記述した。
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出典: 東京大学 2000年度 後期 理科 第2問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。