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東京大学 2002年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第3問

xyz空間内の原点O(0,0,0)を中心とし,
A(0,0,1)を通る球面をSとする.
Sの外側にある点P(x,y,z)に対し,
OPを直径とする球面とSとの交わりとして得られる円を含む平面をLとする.
Pと点Aから平面Lへ下した垂線の足をそれぞれQRとする.
このとき,PQARであるような点Pの動く範囲Vを求め,
Vの体積は10より小さいことを示せ.

難易度7/ 10計算量6/ 10目安25

図形と方程式ベクトル積分 座標設定軌跡体積計算不等式評価

方針

球面 SX2+Y2+Z2=1 であり、OP を直径とする球面は X2+Y2+Z2xXyYzZ=0 と表せる。2球面の交円を含む平面 L は両式の差から xX+yY+zZ=1 である。点Pと点Aからこの平面への距離を出し、PQAR を整理すると、中心 (0,0,1/2)、半径 3/2 の球の内部条件になる。最後に単位球を除いた体積を評価する。

解答

PP=(x,y,z) とし、ρ=OP=x2+y2+z2 とおく。Pは球面Sの外側にあるので ρ>1 である。

空間内の点を (X,Y,Z) と書く。球面Sは原点中心、半径1なので X2+Y2+Z2=1 である。また、OP を直径とする球面は XOXP=0 を満たす点全体であるから X2+Y2+Z2xXyYzZ=0 である。

2つの球面の交わりでは、上の2式が同時に成り立つ。差を取ると xX+yY+zZ=1 である。したがって、交円を含む平面Lは L:xX+yY+zZ=1 である。

点Pから平面Lまでの距離は PQ=x2+y2+z21ρ である。ρ>1 なので分子は正であり PQ=x2+y2+z21ρ である。また A=(0,0,1) からLまでの距離は AR=z(1)1ρ=z+1ρ である。よって条件 PQARx2+y2+z21z+1 である。

もし z<1 なら、右辺は (z+1) なので x2+y2+z21z1 すなわち x2+y2+z2+z0 である。これは x2+y2+(z+12)214 を意味するが、この球では 1z0 となるため、z<1 と両立しない。

したがって z1 としてよく、このとき z+1=z+1 である。条件は x2+y2+z21z+1 すなわち x2+y2+(z12)294 である。

以上より、点Pの動く範囲Vはx2+y2+z2>1,x2+y2+(z12)294である。これは、中心 (0,0,1/2)、半径 3/2 の球の内部から、原点中心半径1の球面Sの内側と表面を除いた範囲である。

中心間の距離は 1/2 であり、半径の差は 321=12 である。したがって大きい球は単位球を内部に含み、点Aで内接している。よってVの体積は境界の有無に影響されず 43π(32)343π=19π6 である。さらに π<22/7 を用いると 19π6<196227=20921<10 である。したがってVの体積は10より小さい。

内接する2球の断面

別解

解法2

方針

位置ベクトルを用いて2球の交円の平面を出す。距離条件を絶対値の符号で分け、得られる2球の包含関係から体積を直接引き算する。

解答

P の位置ベクトルを p=(x,y,z)、空間内の点を X とする。2球面はX2=1,X2pX=0だから交円の平面はL: pX=1.ρ=p>1 とすればPQ=ρ21ρ,AR=z+1ρ.従ってρ21z+1.z<1 の場合はx2+y2+(z+12)214となり z<1 と両立しない。よって z1 であり、x2+y2+(z12)294.従って V は中心 (0,0,1/2)、半径 3/2 の球から単位球を除いた部分である。両球は A で内接するのでVol(V)=4π3{(32)31}=19π6<10.

総評

難度は10段階中7、計算量は10段階中6。目安時間は25分。採点ポイントは、2球面の交円を含む平面を両方の球面方程式の差から出すこと、点と平面の距離で PQ,AR を表すこと、絶対値の z<1 側が不可能であると確認することである。誤りやすいのは、平面Lを接平面と混同すること、また最後の体積で単位球を引き忘れることである。

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出典: 東京大学 2002年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。