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東京大学 2004年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第3問

xy平面に点(1,0)を中心とする半径1の円Aと,点(1,0)を中心とする半径1の円Bをとる。円Aの内部をD,円Bの内部をEとする。次の問いに答えよ。

(1)(1+cosθ,sinθ)における円Aの接線をlとする。円Bの接線mlと直交するとき,lmの交点Pの座標をθを用いて表せ。

(2) 領域DにもEにも重ならないように1辺の長さが2の正方形をxy平面内で動かすとき,この正方形が通りえない部分の面積を求めよ。

難易度8/ 10計算量8/ 10目安35

図形と方程式三角関数積分 接線・法線軌跡座標設定面積計算対称性の利用

方針

(1) は接点の半径を法線ベクトルとして2本の接線を立式する。(2)では正方形の二つの隣接辺が二円に接するとき、二円の間にある頂点の軌跡が到達不能領域の境界になる。軌跡を θ で媒介し、上半分の余分な領域を積分で求めて対称性を使う。

解答

(1) c=cosθ,s=sinθ とおく。円 A の接線 lc(x+1)+sy=1,cx+sy=1c.l と直交する直線は sxcy=a と書ける。これが中心 (1,0)、半径1の円 B に接する条件はsa=1,したがって a=s±1 である。連立方程式を解くと、複号同順でP=(c±scos2θ, scsin2θ).(2) 正方形の隣り合う二辺を円 A,B にそれぞれ接するように置き、二円の間にある頂点を考える。(1)の二点のうちこの頂点はP1(θ)=(cosθsinθcos2θ,sinθ+cosθsin2θ)である。円 A との接点から P1 までの符号付き距離は 2sinθ1、円 B との接点からの距離は 2cosθ1 となる。二つの接点が正方形の対応する辺上にある条件は2sinθ10,2cosθ10,すなわちπ6θπ3.この範囲で P1 が描く曲線が、上側の到達不能部分の境界になる。P1=(x(θ),y(θ)) とおくと、x は単調増加し、両端はx(π6)=1+32,x(π3)=132.この曲線と x 軸に挟まれる面積を S0 とするとS0=π/6π/3y(θ)x(θ)dθ=π/6π/3(sinθ+cosθsin2θ)(sinθcosθ+2sin2θ)dθ=π31+534.一方、同じ x の範囲で二円の上半円弧と x 軸に挟まれる部分は、中心角 π/6 の扇形から直角三角形を引いた部分が二つあるのでS1=2(π1238)=π634.したがって、二円の外側にある上側の到達不能部分はS0S1=π21+332.下側にも合同な部分があり、さらに円 D,E の内部そのものの面積が 2π である。よって求める面積は2π+2(S0S1)=π2+33.条件・検算

選んだ枝では両接点が長さ2の辺上にある範囲がちょうど π/6θπ/3 である。上下の追加領域は合同で、円内部2個分との重複もない。

総評

難度8、計算量8。想定時間は35分程度で、後回し候補の難問である。(1)の二つの交点のうち、二円の間にある枝を選び、接点が正方形の辺上にある条件から π/6θπ/3 を出すところが核心である。面積は円内部 2π と、上下の追加部分を分けると重複を避けやすい。積分値は端点と正負を再確認した。

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出典: 東京大学 2004年度 後期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。