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東京大学 2003年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第3問

xyz空間において,平面z=0上の原点を中心とする半径2の円を底面とし,
(0,0,1)を頂点とする円錐をAとする。

次に,平面z=0上の点(1,0,0)を中心とする半径1の円をH
平面z=1上の点(1,0,1)を中心とする半径1の円をKとする。
HKを2つの底面とする円柱をBとする。

円錐Aと円柱Bの共通部分をCとする。

0t1を満たす実数tに対し,
平面z=tによるCの切り口の面積をS(t)とおく。

(1) 0θπ2とする。
t=1cosθのとき,S(t)θで表せ。

(2) Cの体積01S(t)dtを求めよ。

難易度7/ 10計算量7/ 10目安30

図形と方程式三角関数積分 面積計算体積計算三角比の利用、置換積分

方針

高さ z=t で切ると、円錐側は中心 (0,0)、半径 2(1t) の円板、円柱側は中心 (1,0)、半径1の円板になる。t=1cosθ と置けば円錐側の半径は 2cosθ で、2円の交点が (2cos2θ,±2sinθcosθ) と求まる。そこから中心角を読み、2つの扇形の和から中心2点と交点2点でできる四角形の面積を引く。(2)は dt=sinθdθ に注意して積分する。

解答

高さ z=t で平面切断する。円錐 A は高さ0で半径2、高さ1で半径0になるので、切り口は x2+y24(1t)2 である。一方、円柱 B の切り口は高さによらず (x1)2+y21 である。したがって S(t) は、この2つの円板の共通部分の面積である。

(1) t=1cosθ とおくと、円錐側の断面円の半径は 2(1t)=2cosθ である。2つの円周の交点は x2+y2=4cos2θ,(x1)2+y2=1 を満たす。2式を引くと x2+y2((x1)2+y2)=4cos2θ1 より 2x1=4cos2θ1 であるから x=2cos2θ である。これを x2+y2=4cos2θ に代入して y2=4cos2θ4cos4θ=4sin2θcos2θ を得る。よって交点は (2cos2θ,±2sinθcosθ) である。

原点から見ると、交点の偏角は ±θ である。実際、円錐側の半径は 2cosθ であり、交点の x 座標は 2cos2θ だから、中心角の半分の余弦は 2cos2θ2cosθ=cosθ である。したがって原点中心の円で共通部分に入る扇形の中心角は 2θ で、その面積は 12(2cosθ)22θ=4θcos2θ である。

一方、中心 (1,0) の半径1の円では、交点へ向かうベクトルは(2cos2θ1,±2sinθcosθ)=(cos2θ,±sin2θ)である。したがって右側の小さい中心角は 4θ であり、共通部分に入る左側の扇形の中心角は 2π4θ である。その面積は 12(2π4θ)=π2θ である。

上の2つの扇形を足すと、2つの中心と2つの交点でできる四角形を二重に含む。この四角形は底辺を中心間の距離1、高さを 2sinθcosθ と見ると、面積 2sinθcosθ をもつ。したがって S(t)=4θcos2θ+π2θ2sinθcosθ である。4θcos2θ2θ=2θ(2cos2θ1)=2θcos2θ、また 2sinθcosθ=sin2θ だから S(t)=π+2θcos2θsin2θ である。

(2) t=1cosθ より dt=sinθdθ である。また t=0 のとき θ=0t=1 のとき θ=π/2 である。したがって体積は01S(t)dt=0π/2(π+2θcos2θsin2θ)sinθdθである。

各項を計算する。まず0π/2πsinθdθ=πである。次に 2cos2θsinθ=sin3θsinθ より0π/22θcos2θsinθdθ=0π/2θ(sin3θsinθ)dθである。部分積分により0π/2θsin3θdθ=19,0π/2θsinθdθ=1だから0π/22θcos2θsinθdθ=109である。さらに0π/2sin2θsinθdθ=0π/22sin2θcosθdθ=23である。

よって01S(t)dt=π10923=π169である。

別解

解法2(断面公式と極座標による体積計算)

方針

(1) は2円の共通弦から各円弧の中心角を読み、円弧と弦で囲まれる
2つの弓形の面積を足す。(2)は断面積を積分せず、円柱の底面を
原点中心の極座標で表し、円錐内に残る高さを直接積分する。

解答

(1)
t=1cosθ のとき、円錐側の断面円の半径はR=2(1t)=2cosθである。もう一方は中心 (1,0)、半径 1 の円である。
2円の交点は(2cos2θ, ±2sinθcosθ).原点中心の円で、共通部分に入る弓形の中心角は 2θ だから、
その面積は12R2(2θ)12R2sin(2θ)=4θcos2θ4sinθcos3θ.中心 (1,0) の円では共通部分に入る弓形の中心角が
2π4θ であり、その面積は12(2π4θ)12sin(2π4θ)=π2θ+12sin4θ.これらを足し、12sin4θ=2sinθcosθ(cos2θsin2θ)を用いて整理するとS(t)=π+2θcos2θsin2θ.(2)
円柱の底面を xy 平面に射影した円板は(x1)2+y21である。この点 (x,y) の真上で円錐内にある高さは1x2+y22である。原点中心の極座標x=ρcosϕ,y=ρsinϕを用いると、上の円板はπ2ϕπ2,0ρ2cosϕと表される。したがって体積はV=π/2π/202cosϕ(1ρ2)ρdρdϕ=π/2π/2(2cos2ϕ43cos3ϕ)dϕ.ここでπ/2π/2cos2ϕdϕ=π2,π/2π/2cos3ϕdϕ=43だからV=π169.

総評

立体そのものを直接見るより、高さ z=t の断面で2円の共通部分を求めるのが本筋である。目安時間は25〜30分。交点座標を出したあと、原点側の中心角が 2θ、円柱側の共通部分の中心角が 2π4θ になることを図と式で確認したい。扇形の和から引く四角形の面積 2sinθcosθ を落とすと面積が大きくなりすぎる。(2)では dt=sinθdθ と積分範囲の変換、部分積分の符号が主な計算上の注意点である。

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出典: 東京大学 2003年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。